タイトル |
道北地域における集約放牧導入から定着への移行過程の技術変化と経営評価 |
担当機関 |
道立根釧農試 |
研究期間 |
2003~2007 |
研究担当者 |
石田 亨
竹田芳彦
河野迪夫
内山誠一
三浦康雄
椋本正寿
山下一夫
宮崎隆章
新宮裕子
中村直樹(天北支場)
原 仁(根釧農試)
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発行年度 |
2007 |
要約 |
道北地域の酪農経営における集約放牧移行の組み立て実証及び先進事例調査の結果から集約放牧への移行期の技術・経営等の課題を明らかにする。さらに、道北型集約放牧への移行マニュアルの提案により高飼料自給率型放牧経営へのスムーズな移行を可能とする。
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キーワード |
ペレニアルライグラス(PR)、簡易更新、集約放牧、経営評価、移行マニュアル
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背景・ねらい |
これまで道北地域における集約放牧経営の有効性を解明してきたが、移行過程の技術導入や経営的リスクは検討していない。そこで、酪農経営が新たに放牧を導入したり、より放牧を重視した経営に移行するため現地で組み立て実証と先進事例調査を行い、移行過程の技術変化と経営評価を明らかにし、営農条件別に道北型集約放牧への移行マニュアルを作成する。
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成果の内容・特徴 |
- 集約放牧導入・転換による実証農家の技術及び経営の変遷
(1)実証農家2戸(既存放牧・繋留方式、舎飼飼養・フリーストール方式)は、移行過程で経産牛乳量を減少させたが、電気牧柵と水槽の新・増設及び簡易更新法による放牧地の植生改善等をいずれも初期の1~2年で実施できる。 (2)放牧地は兼用地を有効に活用し、植生改善は初期生育の早いPRと作溝型播種機を組合せた簡易更新法で実施し、放牧を継続しながら2~3年目で十分な効果が見られる(図1)。 (3)両農場は放牧依存率を高め、搾乳牛で年間60%以上の高い飼料自給率を維持し(図2)、植生改善と短草利用は、放牧地からの乳生産を高めた効率的放牧地利用を達成できる。 (4)放牧は病傷事故率低下など乳牛の健康を改善したが、バルク乳の乳中尿素窒素濃度を高めた。濃厚飼料は、放牧依存度の向上により蛋白を低くし高エネルギーのものに変更する。 (5)収益性の変化は、放牧経営への移行時に生乳代金と農業経営費の両方の減少が見られる。生産資材費は、放牧転換に伴う初期投資が最初の1~2年で約300万円程度であり、経営費全体の削減効果は飼料費や農業関係共済の経費減少により3年目頃から認められる。
- 道北地域における集約放牧実施農家の経営展開とその評価
(1)営農条件別に3タイプ(Ⅰ:放牧拡充型、Ⅱ:放牧転換型、Ⅲ:新規参入型)に分類する。 (2)移行の動機は、事故率軽減と経営収支改善及び新規参入時の初期投資の軽減等である。 (3)移行に必要な年数は、タイプⅠが2~3年、タイプⅡとⅢは4~5年程度である。農業収支では、放牧関連の施設整備やPR導入など植生改善を数年かけて実施し、放牧牛の採食程度判定など放牧技術の習得により、所得率が向上し農業所得の増加が見られる(表1)。 (4)移行期の技術変化は、放牧地管理と乳牛管理で継続的な改善が実施されている(図3)。
- 道北型集約放牧への移行マニュアルの作成
(1)農家実証と先進的放牧酪農経営の調査結果より、営農条件別に道北型集約放牧への移行マニュアルを作成し、一部抜粋を示す(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果はPRの栽培が可能な道北・道央・道南地域で活用できる。
- 集約放牧の移行期は、生産技術面で初期投資の完了と技術の普遍化、経営面では農業所得率30%を目安に改善傾向が見られるまでの期間とする。
- 本成果は、放牧地を作溝型播種機で簡易更新し植生改善する方式を基本とする。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「道北地域における集約放牧システム導入と放牧移行過程の技術変化並びに経営評価」 (普及推進)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
経営管理
乳牛
播種
放牧技術
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