タイトル |
魚かす、米ぬかを用いたメロンの無化学肥料栽培技術 |
担当機関 |
道原環セ |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
大橋優二
小宮山誠一
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発行年度 |
2007 |
要約 |
メロンの窒素供給重要期は定植~果実肥大前期(定植後約60日)である。無化学肥料栽培では窒素肥沃度が低い圃場では速効性の魚かすの代替施用が必須である。窒素肥沃度が高い圃場では、緩効性の米ぬかも代替施用が可能である。
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キーワード |
メロン、有機質資材、無化学肥料栽培、魚かす、米ぬか、窒素供給重要期
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背景・ねらい |
近年、地域の未利用資源の有効活用が推進され、有機質資材を用いた栽培の取り組みが広がっている。一般に、有機質資材は化成肥料に比べて窒素(N)放出が遅いことから、慣行とは異なる施肥管理が必要となる。本課題では有機質資材のN放出時期とメロンのN供給重要期を考慮した無化学肥料栽培技術の開発を目的とする。
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成果の内容・特徴 |
- 魚かすは分解によるNの放出(N無機化)が速い速効性の資材であり、米ぬかはNの放出が遅い緩効性の資材である(表1)。
- 養液栽培法によるN供給処理では、果実肥大前期(生育ステージⅣ)までのN標準処理期間が長いほど果実収量は高い(図1)。また、処理5、6の果実収量と処理7は同等であることから、果実肥大盛期(ステージⅤ)と果実肥大後期~成熟期(ステージⅥ)のN供給は果実収量の増加に大きく寄与しない。このことから、メロンのN供給重要期は定植~果実肥大前期(定植後約60日)である。
- 速効性の「魚かす」区の果実収量は、いずれの圃場でも「化成」区(対照)とほぼ同等である(表2)。
- 「魚かす+米ぬか」区の果実収量は、N肥沃度の高い圃場では対照とほぼ同等であるが、N肥沃度の低い圃場では対照に比べて低下する(表2)。
- 「米ぬか」区では、N肥沃度の高い圃場では対照比90%以上の果実収量が確保されるが、N肥沃度の低い圃場では対照に比べて収量の低下が大きい(表2)。
- 特別栽培農産物認証基準に準拠した「特栽」区の果実収量は対照とほぼ同等であり(表2)、化成の一部を魚かすで代替施用することによって、これに準拠した栽培が可能である。
- 対照と同等の果実収量を得るための無化学肥料栽培導入区分により、N肥沃度の低い圃場では速効性の魚かすの代替施用が必須である(表3)。一方、N肥沃度の高い圃場では、緩効性の米ぬかも代替施用が可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成績は品種「ルピアレッド」、無加温半促成作型で得られた成果である。
- 本成績はメロンの無化学肥料栽培、特別栽培農産物認証基準に準拠した有機質資材の施肥対応として活用し、またクリーン農業技術にも利用できる。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「有機質資材を用いたメロンの無化学肥料栽培技術」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
くり
栽培技術
施肥
品種
未利用資源
メロン
養液栽培
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