タイトル |
小麦品質関連遺伝子型を判別するDNAマーカー |
担当機関 |
道立中央農試 |
研究期間 |
2004~2007 |
研究担当者 |
鈴木孝子
竹内徹
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発行年度 |
2007 |
要約 |
DNAマーカーによって、小麦の硬軟質性に関与するピュロインドリン変異の主要な遺伝子型(Pina-D1b、Pinb-D1b)の判別、製パン性や生地物性に関与するグルテニンサブユニットGlu-B1i、Glu-D1d、Glu-B3gの判別、めんの粘弾性に関与するWx-B1欠失型の判別ができる。
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キーワード |
DNAマーカー、ピュロインドリン、グルテニン、Wx-B1欠失
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背景・ねらい |
小麦育種の効率化のため、小麦の品質に関連する遺伝子型を判別するDNAマーカーを作成し、その有効性を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- PCR反応はすべて1×PCRバッファー、200μM各dNTP、0.4μMプライマー、HotStar Taq DNA Polymerase(QIAGEN) 2.5ユニット、DNAテンプレート40ng/20μl反応液で行う。PCR反応条件は95℃で15分間反応後、94℃・30 秒間、58℃(GB3のみ55℃)・30 秒間、72℃・2 分間を35 回繰り返した後、72℃・5 分間反応させる。増幅産物は2%アガロースゲルで電気泳動する。
- 小麦の硬軟質性に関与するピュロインドリンの遺伝子型判別マーカーPinaは、野生型、Pina-D1bホモ型、へテロ型の判別ができる(表1、2)。また、PinabはPina-D1b、Pinb-D1b判別ができる(表1、2)。
- 製パン性や生地物性に関与する高分子量グルテニンサブユニット判別マーカーGB1iはGlu-B1i、GD1dはGlu-D1d判別ができる(表1、2)。生地物性に関与する低分子量グルテニンサブユニット判別マーカーGB3gはGlu-B3g判別ができる(表1、2)。
- めんの粘弾性に関与するWx-B1欠失型判別マーカーWB2は、Wx-B1欠失型を判別できる(表1、2)。
- 作成したDNAマーカーを用いた遺伝子型の判別は、これまで行われてきたタンパク電気泳動を用いた判別結果と相違なく、有効に利用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本方法は小麦品種改良における選抜、遺伝解析材料作出、有望系統の早期作出等に幅広く活用でき、育種の効率化に貢献できる。
- 以下の遺伝子に関連するDNA配列はこれまで報告がなかったことから、データベースに登録した。Pina-D1b 領域(AB262660)、Glu-B1i 領域( AB263219)、「ホクシン」のGlu-B3g 領域(AB262661)、「ホクシン」「きたもえ」のWx-B1 領域(AB272097、AB272098)。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「小麦品質関連遺伝子型を判別するDNAマーカー」(研究参考)
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育種
小麦
データベース
DNAマーカー
品種改良
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