タイトル |
十勝産ながいもの早期つる切りによる品質低下実証と春掘凍害軽減対策 |
担当機関 |
道立十勝農試 |
研究期間 |
2006~2007 |
研究担当者 |
鳥越昌隆
田縁勝洋
小疇浩(帯広畜産大)
川原美香(十勝圏食加工セ)
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発行年度 |
2008 |
要約 |
ながいもの貯蔵中のとろろの物理性や内部品質は、早期つる切りにより低下するため、黄変期以降のつる切りが望ましい。春掘りながいもでは茎葉やネット・マルチ残渣被覆により土壌凍結を軽減でき、土壌凍結が30cm以下では製品歩留りに影響がない。
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キーワード |
ながいも、内部品質、外観品質、春掘り、土壌凍結
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背景・ねらい |
十勝地域における栽培条件の違いが貯蔵中のながいもの品質におよぼす影響を確認するとともに、秋掘りと春掘りの品質および凍害の影響について明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 早期つる切り区のすりおろし液のずり応力、乾物率およびでん粉含量は対照区に比べ貯蔵期間を通して低い。このことから早期のつる切りはとろろの物理性や内部品質の低下を招くため黄変期以降のつる切りが望ましい(表1)。
- 収穫直後の春掘りのながいもは貯蔵中の秋掘りに比べ、胴部および尻部で糖含量が低く、特にフルクトース含量は有意に低いが、でん粉含量は有意に高く維持されている(図1)。
- 土壌凍結は積雪と密接な関係があり、積雪深が30cm以上ある場合には、土壌凍結は進まず、その時期以降の地温の低下はない。ながいも茎葉、ネットおよびマルチ残渣による被覆区は、無処理区に比べ土壌凍結がやや浅くなる保温効果が認められる(図2)。
- 土壌凍結が30cm以下(無処理、被覆区)では、春掘り収穫後貯蔵しても凍結による腐敗は進行せず、貯蔵後の腐敗も首部で止まっていることから、製品歩留まりに影響しないが、土壌凍結が50cm(除雪区)の場合は、肩部まで凍結による組織の軟化がみられる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果は、十勝産ながいもの高品質生産および土壌凍結地帯における春掘りの凍害回避のための技術として活用する。
- ながいもの貯蔵は3~5℃の大型貯蔵庫を用いて行った。
- 本成果は十勝地域の土壌凍結地帯で得られたものである。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「十勝産ながいもの早期つる切りによる品質低下と春掘凍害軽減対策」 (指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
栽培条件
凍害
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