タイトル |
大ヨークシャー新系統豚「ハマナスW2」 |
担当機関 |
道立畜試 |
研究期間 |
1999~2007 |
研究担当者 |
山内和律
梶野清二
岩上弦太郎
小泉徹
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発行年度 |
2008 |
要約 |
大ヨークシャーの新系統豚「ハマナスW2」およびハマナスW2を利用した交雑豚は、高い産肉能力、繁殖能力を備え、肢蹄強健性、肉質について優れている。
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キーワード |
系統造成、系統交雑豚
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背景・ねらい |
発育が早く、適度な脂肪蓄積により高い枝肉格付け成績が期待できる系統豚「ハマナスW1」をもとに、産肉能力(日増体重と背脂肪厚)、繁殖能力(初産次総産子数)及び肢蹄の強健性について一層の改良を加えた後継系統の造成を行い、新系統豚の生産現場での利用形態となるランドレース系統豚との交雑繁殖雌豚(WL)の繁殖能力、および、さらにこの交雑繁殖雌豚から生産された三元交雑肉豚(WLD)の産肉能力を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 「ハマナスW1」と導入豚を正逆交配し基礎豚を作成し、その基礎豚を基に閉鎖群で7世代にわたる選抜を実施した「ハマナスW2」は、基礎豚に比べて日増体重、背脂肪厚がそれぞれ80.2g大きく、0.1mm薄く改良されている (表1)。
初産時の総産子数は第6世代で10.5頭と、「ハマナスW1」の9.3頭を上回る(表1)。 肢蹄の強健性を表す肢蹄スコアは世代が進むにつれて最適値に近づき、また、最終世代のロース芯脂肪含量は3.6%と「ハマナスW1」と同様に高い。 - 道内SPF豚農場に導入した交雑繁殖雌豚(ハマナスW2×ゼンノーL01)は、従来の「ハマナスW1」による交雑繁殖雌豚(ハマナスW1×ゼンノーL01)より初産~6産次までの平均総産子数および正常産子数がそれぞれ1.5頭、1.0頭多い (表2)。
- 三元交雑肉豚(ハマナスW1×ゼンノーL01×ゼンノーD01)の体重30~105kg間における日増体重は、去勢雄が1131g/日、雌が977g/日、同期間の飼料要求率は、去勢雄が2.61、雌が2.68 と発育速度および飼料の利用効率が良好である(表3)。
- WLDの出荷成績は、出荷日齢が去勢雄138日、雌144日で、上物率が67.2%である(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本系統は「ハマナスW1」と同様に系統間交雑での利用を基本とする。
- 高い繁殖能力を生かす適正な飼養管理技術が重要である。
- 本試験では、W2Lの飼養管理にSPF繁殖雌豚の育成・妊娠期における飼料給与基準(平成16年度普及推進)、および日本飼養標準・豚(2005)の給与基準を適用した。
- 本試験はSPF環境において実施した。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「大ヨークシャー新系統豚「ハマナスW2」」(普及奨励)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
飼育技術
出荷調整
なす
繁殖性改善
豚
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