タイトル |
SPF肉豚の枝肉脂肪厚調節のための飼料給与法 |
担当機関 |
道立畜試 |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
小泉徹
内藤学
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発行年度 |
2008 |
要約 |
去勢雄の枝肉脂肪の過剰な蓄積を防止する対策として、枝肉脂肪厚を2mm程度抑制する場合は肥育前期飼料をCP17%、TDN72%とする。さらに、大幅な枝肉脂肪厚抑制が必要な場合には肥育前期飼料をCP17%、TDN72%かつ肥育後期飼料をCP15%、TDN68%とする。
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キーワード |
系統造成、系統交雑豚
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背景・ねらい |
SPF肉豚の性別・ステージ別の赤肉・脂肪の蓄積量を明らかにし、枝肉格付成績向上のため、去勢雄について、不断給与条件下で枝肉脂肪厚を調節するための飼料給与技術を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 去勢雄および雌について、肥育前期(30~105kg)および後期(70~105kg)におけるTDN摂取量と日増体重の関係を示す(式1-1、1-2、1-3、1-4)。
- 日増体重と枝肉脂肪厚の関係式(式2-1、2-2)から、去勢雄について、日増体重1000g程度の最大限の発育をさせた場合、肥育開始30kg時7.8mmnの背脂肪厚は、と畜までに約16mm増加すると推定され、と畜時の背脂肪厚が「上」範囲の上限値24mm程度となることから、安定的に高い上物率を得るためには、現行の飼料給与条件下では、発育の制限が必要となる。
- 雌は、肥育前期の日増体重と枝肉脂肪厚の関係式(式2-1)から、肥育期に最大限の発育をさせた場合、肥育開始30kg時5mmの背脂肪厚は体重70kg時までに約8mm増加すると推定される。肥育後期は日増体重と枝肉脂肪厚の間に一定の関係はみられなかったが、平均約3mm増加し、と畜時の背脂肪厚は格付け「上」範囲の中間値程度の16mmとほぼ適正な値となる。
- 去勢雄の厚脂対策として、肥育前期飼料をCP17%、TDN75%からCP17%、TDN72%に、後期飼料をCP15%、TDN73%からCP15%、TDN68%に調整した飼料を給与することにより、肥育前期では発育速度を低下させず70kg時の背脂肪厚は2mm程度薄くでき、また、肥育後期では、発育は低下したものの、過度な脂肪蓄積を抑えることができる(表1、表2、表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 肥育後期の低TDN飼料による厚脂対策は肥育期間の延長を伴うため、施設の稼働計画を考慮して活用する。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「SPF肉豚の枝肉脂肪厚調節のための飼料給与法」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肉牛
豚
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