タイトル |
生物農薬を利用した施設栽培メロンの減農薬栽培技術 |
担当機関 |
道立中央農試 |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
橋本庸三
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発行年度 |
2008 |
要約 |
施設栽培メロンの主要病害虫(ナスハモグリバエ、ハダニ類、ワタアブラムシ、うどんこ病)に対し、生物農薬の効率的な使用や化学農薬との併用などにより、化学農薬使用回数を50%以上削減した減農薬栽培が可能である。
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キーワード |
メロン、生物農薬、発生モニタリング、バンカープラント、減化学農薬
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背景・ねらい |
メロンの減農薬栽培技術を確立することで、消費者が道産農作物に対し抱く安全・安心のイメージがさらに高まり付加価値のついたメロンを生産でき、多くの産地のYES!clean登録への参画を促し、クリーン農業の普及拡大が図られる。そこで、メロンに被害を与える病害虫に対して生物農薬の効率的利用技術を開発し、化学農薬使用回数を慣行栽培よりも50%程度削減した減農薬栽培技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 半促成作型(7~8月収穫)および抑制作型(9月収穫)メロンでは、ナスハモグリバエ、ハダニ類、ワタアブラムシおよびうどんこ病が発生し、防除対象となる。
- ナスハモグリバエ:1)定植時にチアメトキサム粒剤(2g/株)を処理する。2)処理後5~6週間は幼虫食害程度が高まることはなく、その後の防除の必要性は少ない。
- ハダニ類(図1):1)定植時にモニタリングプラント(菜豆)をハウスの出入り口両側とハウスサイド約20m毎に1カ所程度設置する。2)モニタリングプラントでハダニ類が確認でき次第ミヤコカブリダニ剤を1回導入する。3)ハダニ類の増殖が止まらず、被害葉が認められる場合はシフルメトフェン水和剤F(1000倍)を散布する。
- ワタアブラムシ(図2):1)定植時にチアメトキサム粒剤(2g/株)を処理する。2)プランターにバンカープラント(秋まき小麦)を栽培し予めムギクビレアブラムシとコレマンアブラバチを十分に増殖させておく。3)定植4週間後にプランターをハウス内中央通路に約10m毎に1個を設置する。4)ワタアブラムシの増殖が止まらず、すす症状などが認められる場合はピメトロジン水和剤(3000倍)を散布する。
- うどんこ病:1)発病初期に化学農薬を散布する。2)化学農薬の残効が切れる前にバチルス・ズブチリス水和剤(500倍)の散布を開始し7~10日おきに2回散布する。3)うどんこ病が進展し十分な効果が期待できなくなった場合に化学農薬の防除に移行する。
- 上記生物農薬を利用した各病害虫に対する防除法を組み合わせる(表1)と、農薬成分回数は半促成栽培で6回、抑制作型栽培で7回となり、慣行栽培における病害虫防除のための農薬成分回数(半促成:13、抑制:16)に比較して50%以上の削減となる。
- 生物農薬を使用したハウスにおいて、農薬散布に要する労働時間は慣行に比較して大幅に削減されるが、病害虫防除に要した資材費用は慣行に比べ約1.3倍となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本技術は施設栽培メロンの病害虫に対し生物農薬を用いて防除を行う場合に活用する。
- 生物農薬の基本的な取り扱い方・使用法については各製品の注意事項等に従う。
- 化学農薬の使用にあたっては、日本バイオロジカルコントロール評議会作成の「天敵等への化学農薬の影響の目安」表を参考にする。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「施設栽培メロンにおける生物農薬を利用した減農薬栽培技術」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
うどんこ病
害虫
くり
栽培技術
施設栽培
なす
農薬
病害虫防除
防除
メロン
モニタリング
わた
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