タイトル |
Y字二頭口ドリフト低減ノズルによる農薬飛散低減及び防除効果 |
担当機関 |
道立中央農試 |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
木村義彰
橋本庸三
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発行年度 |
2008 |
要約 |
新たに開発されたY字二頭口ドリフト低減ノズルはドリフト低減効果とともに慣行ノズルとほぼ同等の散布性能と防除効果を持つ。
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キーワード |
Y字二頭口ドリフト低減ノズル、ドリフト、薬液付着、防除効果
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背景・ねらい |
薬液付着量増加を目的に開発されたY字二頭口ドリフト低減ノズルのドリフト(漂流飛散)低減効果と薬液の付着および防除効果を慣行ノズルとの比較において明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- Y字二頭口ドリフト低減ノズルは扇形噴霧の2頭口ノズルで機体進行方向側のノズルの噴霧粒径を微細(噴霧粒径:190~300μm)、後方側の噴霧粒径を大きく(噴霧粒径:240~360μm)する(表1)ことで葉面に薬液を付着させ、ドリフトを軽減しつつ薬液付着効果を高める。
- Y字二頭口ドリフト低減ノズルの稲株上部から下部の水平・表面への薬液の付着は慣行ノズルとほぼ同じく付着度指数8以上で、水平・裏面への付着はいずれの高さも付着度指数4.0以下であるが、付着度指数の合計(120満点)は慣行ノズルと大きな差はなかったことから、Y字二頭口ドリフト低減ノズルの薬液付着量は慣行ノズルとほぼ同等とである。また、Y字二頭口ドリフト低減ノズルのドリフトは慣行ノズルに比べ低減される(表2)。
- 薬液散布後の害虫密度調査および斑点米調査の結果、同一条件(農薬の種類、希釈濃度、散布量)において、Y字二頭口ドリフト低減ノズルの害虫密度と斑点米粒数は、慣行ノズルと概ね同等である。これらのことから、Y字二頭口ドリフト低減ノズルによる防除は慣行作業と同条件(農薬種類、希釈濃度、10a当たり散布量)の散布作業においては、慣行ノズルとほぼ同程度の防除効果と判断される(表3、4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 供試ドリフト低減ノズルは噴霧圧力1.0~2.0MPaの範囲で使用する。
- 風速 が強い場合、薬液のドリフト量が増えるばかりでなく、薬液の葉面付着量も低下し、防除効果が低下する可能性が高いことから、3m/sを超える強風時の散布作業は慎む。
- ドリフト低減ノズルを使用する場合であっても、強風下、あるいは微風であっても散布地点から至近距離に別圃場や作物がある場合など、ドリフト発生の危険性が高い場面では、散布経路や作業日程を変更すること、ネット等の遮蔽物を設置する等のドリフト防止への対応が不可欠である。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「Y字二頭口ドリフト低減ノズルによる農薬飛散低減及び防除効果」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
農薬
斑点米
防除
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