タイトル |
寒冷地南部の重粘土水田における畑転換後の土壌水分特性と作物収量 |
担当機関 |
北陸農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
北陸地域では秋冬季の多雨・積雪の気象条件や重粘な土壌条件により、転作作物の安定的な生産が困難である。そこで、畑転換後の土壌水分特性を調査したところ、畑転換初年目は土壌水分張力が低く推移し、転換畑作物の生育・収量は低かった。
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背景・ねらい |
良食味米生産基地として水稲単作に特化してきた北陸地域の農業に、大豆・麦作を中心とする輪換畑作物の導入が図られてきたが、当地域の輪作は2年3作ブロックローテーションが主で、積雪や重粘土壌などの悪条件下で栽培される輪換畑作物の生産は低位・不安定である。そこで、畑転換後の作付体系の前歴 が異なる細粒強グライ土(田川統)水田を用いて土壌水分の推移を明らかにするとともに、輪換畑作物の収量性を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 表層から10㎝深の秋季土壌水分張力の推移は、畑転換初年目の圃場では11月上旬以降は0㎝H SIZE=-2>2O前後で推移し、降水量が多くなる11月下旬以降は-10㎝H SIZE=-2>2O前後まで低下することがあった。これに対し、イタリアンライグラス-大豆-大麦の畑転換2年目の圃場では転換初年目の圃場に比べ土壌水分張力は10~20㎝H SIZE=-2>2O高く推移した(図1)。
- 春季の土壌水分張力は、作物の節間伸長が開始する4月下旬から急激に上昇する。湿害を受けた畑転換初年目の大麦に比べ、生育量が多かった畑転換2年目大麦の土壌水分張力の上昇程度は大きく、収穫期まで土壌水分張力は高い状態で推移した。一方、生育量が多い畑転換初年目のイタリアンライグラス区でも土壌水分張力の上昇程度は大きいが、冬季休閑の裸地区では土壌水分張力が最も少なく推移した(図2、表)。
- 大麦の収量は、地上部全収量では畑転換初年目が畑転換2年目の27.5%、精子実重では畑転換初年目が畑転換2年目の26.5%で、土壌水分が高く推移した畑転換初年目の圃場では大麦収が極めて低かった(表)。
- 大麦跡の大豆収量も畑転換2年目が畑転換初年目より多かったが、大麦の収量差に比べるとその差は小さくなった。また、畑転換2年目の大豆は、播種期が早いイタリアンライグラス跡と冬季休閑区跡に比べ、地上部全収量は劣ったが精子実重では優った(表)。
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成果の活用面・留意点 |
- 冬作期間の降水量が2,000㎜前後に達する、寒冷地南部の麦作排水対策と麦作技術開発の基礎資料として活用できる。
- 畑転換2年目の供試圃場は、畑転換初年目(平成6年)の夏作期間が記録的な干ばつ年で通常年より土壌の乾燥が進んだ圃場であった。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
イタリアンライグラス
大麦
乾燥
湿害
水田
水稲
大豆
播種
良食味
輪作
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