イタリアンライグラス品種の粗蛋白質含量の変動要因

タイトル イタリアンライグラス品種の粗蛋白質含量の変動要因
担当機関 北陸農業試験場
研究期間 1994~1996
研究担当者
発行年度 1995
要約 イタリアンライグラス品種の粗蛋白質含量は、出穂期の晩生化よりも収量性の向上によって低下する。粗蛋白質含量は、茎数型の方が茎重型よりも高い。
背景・ねらい イタリアンライグラスは寒地型牧草の中では最高品質の草種に位置すると評価されており、これまで品質について顧みられることは少なかった。そこで、粗蛋白質含量の品種・系統間差異を部位ごとに明らかにする。さらに、品種による出穂期、収量および草型の差異と粗蛋白質含量との関係を解明し、高蛋白質品種育成のための指針を得る。
成果の内容・特徴 21品種・系統(うち2倍体は2品種、他は4倍体)を1番草出穂期に刈取り、粗蛋白質含量を測定した。基肥として播種日(9月20日)にN:0.8kg/a、追肥として3月23日にN:0.5kg/aを施用した。供試品種・系統の出穂期のレンジは約10日間であった。
  1. 粗蛋白質含量はいずれの品種・系統においても葉身が茎部(葉鞘+稈)よりも高い(図1)。
  2. 出穂期と粗蛋白質含量との間に相関関係は認められない(図1、表1)。
  3. 乾物収量と粗蛋白質含量との間には高い負の相関関係があるが、両者の積で求めた粗蛋白質収量には品種・系統間差がない(図2、表1)。従って、粗蛋白質含量は出穂期の晩生化よりも収量性を向上させる場合に低下すると推定される。
  4. 偏相関係数で見ると草型(茎数/1茎重)と粗蛋白質含量との間には正の相関関係が認められ(表1)、同一収量水準では茎数型が茎重型より粗蛋白質含量が高い傾向が認められた。乾物収量と草型との間には負の相関関係があり、茎重型のなかで収量が高く粗蛋白質含量の高い品種・系統は見られなかった(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 高蛋白多収品種育成の際に有効な資料となる。多収性の選抜の場合、あるいは耐倒伏性強化等のため茎重型を指向する場合には粗蛋白質含量は低下する。
  2. 供試品種・系統の出穂期のレンジは約10日間であり、レンジ外への適用には留意する。
図表1 214090-1.gif
図表2 214090-2.gif
図表3 214090-3.gif
図表4 214090-4.gif
カテゴリ イタリアンライグラス 寒地 多収性 播種 品種

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