タイトル |
水稲直播適応品種「新潟30号」を用いた代かき湛水散播直播栽培法 |
担当機関 |
新潟県農業試験場 |
研究期間 |
1994~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
直播適応品種「新潟30号」の生育特性を明らかにし、直播栽培における生 産の安定化のための生育・収量及び肥培管理のめやすを示した。目標収量及び収量構 成要素は10a当たり収量500kg、平方メートル当たり穂数480本、1穂籾数58粒 、平方メートル当たり籾数28千粒、登熟歩合85%、千粒重21gである。
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背景・ねらい |
低コスト稲作や作期分散による規模拡大の一方策としての直播栽培に対する要望はますます強まりつつあるが、生産現場においては導入条件や適応品種の面から積極的な取り組みが遅れていた。しかし、「新潟30号」は生育特性が直播に適していることが明らかとなり、平成9年度から直播適応性新品種に予定されている。このため「新潟30号」を用いた代かき湛水散播直播栽培技術を明らかにし、低コスト稲作や規模拡大の一助とする。
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成果の内容・特徴 |
- (1)播種適期を5月中旬とし、種子粉衣を行うことで発芽率が安定する。また、10a当たり乾籾で3.5~4.0kg播種すれば平方メートル当たりの目標苗立ち数80~120本が確保できる(表1)。
- (2)5月中旬に播種すれば、5月上旬移植のコシヒカリとの生育ステ-ジの差は、出穂期で5~7日、成熟期で7~10日程度遅れるため作業競合が回避できる。
- (3)本栽培法では、収量の安定化と品質・食味向上のために10a当たり目標収量は500kgとする。このときの収量構成要素は平方メートル当たり穂数480本、籾数28千粒、1穂籾数58粒、登熟歩合85%、千粒重21gである(図1、図2、図3、図4)。
- (4)目標収量を得るための10a当たり基肥窒素量は4kgを基準とする。さらに穂肥窒素量は4kgとし、これを幼穂形成期に2.5kg、出穂前15~10日に1.5kgに分施する。
- (5)新潟30号は稈長が短く倒伏しにくいが、直播栽培では過剰生育となりやすいため、生育制御につとめる。適正穂数確保により倒伏が軽減され、収量性の安定化とともに品質・食味の向上が図られる(図5)。
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成果の活用面・留意点 |
- (1)この栽培体系は高冷地を除く県内平坦地域に適応する。
- (2)栽培管理の詳細は平成9年3月発行予定の「新潟30号直播栽培の手引き」を参照する。
- (3)出穂期が8月20日以降になると登熟不良になることがあるので導入にあたっては注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
規模拡大
栽培技術
栽培体系
直播栽培
新品種
水稲
低コスト
播種
肥培管理
品種
良食味
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