タイトル |
早生品種「ほほほの穂」における湛水散播直播の生育と収量 |
担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
早生品種「ほほほの穂」を用いた湛水散播直播で、播種後60日目までに茎数を約630本/平方メートル以上とすることで、10a当たり500kg以上の収量を確保することができる。
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背景・ねらい |
低コスト・省力化をねらいとする湛水直播栽培において、近年、一層の省力化を狙った無人ヘリコプターによる散播が徐々に増えてきている。そこで、今後増加すると思われる散播直播における生育と収量の関係について、早生品種「ほほほの穂」で検討した。
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成果の内容・特徴 |
- (1)平成7~8年に潤土散播直播及び表面散播直播により、催芽籾を4、6、8kg/10aの3段階で播種(5月9~10日;カルパー無粉衣)し、苗立数、生育期の茎数、収量等について調査した。
- (2)苗立数と収量との間には有意な相関関係はなかったが、播種後60日目の茎数と収量との間に高い正の相関関係が認められた。従って、苗立数が少なくても播種後60日目までに茎数を多く確保すれば、安定収量が得られるものと考えられる(表1、表2)。
- (3)有効茎歩合と収量との間に負の相関関係が認められた表2。
- (4)(2)、(3)から、過繁茂による有効茎歩合の低下にかかわらず播種後60日目までに茎数を多く確保することにより、安定収量が得られるものと考えられる。
なお、播種後60日目は概ね最高分けつ期である。
- (5)播種後60日目の茎数と収量との間の回帰式から、収量500kg/10aを得るための播種後60日目の茎数を算出すると、約630本/平方メートルであった(図1)。
※回帰式;収量=-495.387+154.353×ln(播種後60日目茎数)(1%水準で有意) (注)ln(播種後60日目茎数)は、「播種後60日目茎数」の自然対数である。
- (6)苗立数と播種後60日目茎数との間の回帰式から、播種後60日目に茎数630本/平方メートルを確保するための苗立数を算出すると、約80本/平方メートルとなる(図2)。
- (7)苗立率は40~70%(平成7年と8年の最大値と最小値)と変動したので苗立数80本を確保するには、播種量3.4~6kg/10a(平均して約5kg)が必要となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 茎数の増減パターンや収量性等は品種特性であることから、今回求めた回帰式に対するほほほの穂以外の品種についての適応性を検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
直播栽培
省力化
低コスト省力化
播種
品種
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