タイトル |
野菜の生理障害診断支援システム |
担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
生理障害のデータベースとカラー画像を併用し、パソコンによる野菜の生理障害を診断する支援システムを開発した。このシステムは障害の原因と、基本的な対策を表示させるようにした。
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背景・ねらい |
野菜栽培では、集約化、連作、作期幅の拡大、作型の変化等による土壌に富栄養化や、養分のアンバランスで施設、露地栽培を問わず、以前に比べ生理障害は多発している。 このため、現場では早急な原因究明と対策が要求されているが、経験と勘に頼ることが多く、判断を誤ることが少なくなかった。そこで、過去に県内で発生した生理障害事例についてデータベース化し、画像による生理障害診断支援システムを開発した。
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成果の内容・特徴 |
- (1)生理障害診断支援システムの概略を(図1)に示した。このシステムは、発生した生理障害の特徴とコンピュータ画像の特徴を比較して、発生した生理障害に類似した複数の候補となる画像から、さらに詳細なコンピュータ画像を選択する。
- (2)選択されたコンピュータ画像には土壌分析データベース、葉分析データベースおよび根・果実分析データベースが付記されており、それらから症例ごとの分析値を参照・照合が出来る。
- (3)生理障害の原因が特定されたものについて、カラー画像および土壌分析・葉分析値、および原因と対策は画面上に表示するとともに、印刷もできる。主要な生理障害の事例として、B過剰によるキュウリの葉縁黄化症(図2、図3、図4)、キュウリのMn過剰症、マルイモの葉黄化症(Mg欠乏)が挙られる。
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成果の活用面・留意点 |
- (1)発生した生理障害について、早急な原因究明、および対策を提示できる。
- (2)病気および虫による障害は対象外である。
- (3)各普及センター等で、土壌・葉分析データのみ存在する場合、本システムの土壌・葉分析データベースとの照合により、生理障害発生予知の可能性が考えられる。
- (4)現在までに収録されている作目・症例は、平成8年12月時点で15品目・49症例であり、診断の実用性・精度を高めるために、今後も継続して事例の調査・蓄積を図る。
- (5)本システムは、来年度各普及センターに配布予定であるが、バージョン.3.1 以降のWindows 、バージョン.2.0 以降のAccessが動作し、ハードディスク容量に20MB以上の空領域を有するコンピュータが必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
カラー
きゅうり
生理障害
データベース
野菜栽培
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