低地耐力水田におけるロークロップ車輪(スターホイール)装着トラクタの走行可能限界

タイトル 低地耐力水田におけるロークロップ車輪(スターホイール)装着トラクタの走行可能限界
担当機関 新潟県農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 水田管理作業を軽労化するために各種の乗用管理機が開発されているが、粘質水田の地耐力は小さいことが多く、水田走行性能が重要である。ここでは、福井農試開発のロークロップ車輪(スターホイール、タイヤ幅10cmまたは15cm)を装着した水田管理作業用トラクタの低地耐力水田での走行性能を明らかにする。
背景・ねらい 水田管理作業を軽労化するために各種の乗用管理機が開発されているが、粘質水田の地耐力は小さいことが多く、水田走行性能が重要である。ここでは、福井農試開発のロークロップ車輪(スターホイール、タイヤ幅10cmまたは15cm)を装着した水田管理作業用トラクタの低地耐力水田での走行性能を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. (1)ロークロップ車輪(スターホイール)装着トラクタの後輪のスリップ率は、作土直下または前回走行したわだち底面から下方10cm間ないし15cm間の平均円錐貫入抵抗(以下、地耐力と略記)との相関が高い。本機の水田内走行の可否は、この地耐力を測定することで概ね判断できる。この値が0.7MPa以上であれば、タイヤ幅にかかわらずスリップ率は3~7%程度で安定した走行が可能である(図1)。
  2. (2)前年度のわだちの地耐力は未走行場所にくらべて小さい。このため、地耐力が走行可能限界に近い水田で走行した場合、翌年の走行に支障をきたす場合がある(図2)。
  3. (3)同じ場所を重複して走行した場合の車輪の沈下量の増加は、10cm幅の車輪にくらべて15cm幅の車輪で小さい。耕盤面からのわだちの深さが15cm以上(通常の耕深では車輪の沈下深が約30~35cm以上)になると、タイヤ幅にかかわらず走行が困難になりやすい(図3)。
  4. (4)同一場所を4回程度重複して走行できるための地耐力(未走行部)は、10cm幅の後輪を装着した場合で約1MPa以上、15cm幅の後輪では約0.6MPa以上と推定される。0.5MPa以下の軟弱な水田では、15cm幅の車輪を用いても安定した走行はできない可能性が高い(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. (1)低地耐力水田でのロークロップ車輪装着トラクタの利用可否判断の一助となる。
  2. (2)円錐貫入抵抗は、自記式の貫入式土壌抵抗測定器(円錐底面積2cm2)で測定した。
  3. (3)供試機の出力は17kW、装備重量は1880kg、後輪荷重の分担比は64%である(装備重量と後輪荷重の分担比は、ブームスプレーヤの装着と250 の薬液搭載を想定した設定)。車輪は、ラグパターンが通常のトラクタ用ハイラグタイヤに類似したソリッドゴムラグタイヤで、後輪幅は10cmまたは15cm、前輪幅は10cmである。輪距は前後輪とも約150cmである。
  4. (4)冬季に積雪下で推移した粘土質水田において、代かきして約2か月後に、1日のうちに同じ場所を重複して走行した試験結果である。
図表1 214123-1.gif
図表2 214123-2.gif
図表3 214123-3.gif
図表4 214123-4.gif
カテゴリ 軽労化 水田

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