タイトル |
ウメの低樹高Y字フェンス仕立て |
担当機関 |
福井県園芸試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
低樹高を目的として、樹高2m、幅1.5~2.0mのY字フェンス仕立てを行なうことにより、収穫作業の省力化と樹の若返りが図られ、大玉比率が高まる。
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背景・ねらい |
ウメの栽培・経営上の最も大きな問題点は、収穫に多くの時間を要することと収量の年次変動が大きいことである。そこで収穫の省力化と大玉生産を目標に低樹高フェンス仕立てを検討した。
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成果の内容・特徴 |
- (1)発育枝を利用した側枝をフェンス状に誘引するために、50mmの鉄パイプを用いて高さ2m、最上幅1.5~2.0mになるように、4m間隔で支柱を組立て、それに5mmの針金を1.0m、1.5m、2.0mの高さに2本ずつ計6本横に張る(図1)。
- (2)植栽本数は、フェンス幅によって異なり、通路幅を考慮して1.5m幅では4m×3.5m(10a当たり70本)、2.0m幅では4m×4.5m(同55本)を基準とする。
- (3)仕立て法は、2本主枝のY字形を基本とする。植付け3年目以降主枝から発生する1m以上の発育枝を50~80cmに切り返して針金に誘引し側枝とする。次年度も先端から伸びた1~2本の発育枝を前年と同様に切り返して側枝を延長させ2m以上はせん去する。2~3年利用して2mの高さに達した側枝は主枝付近で間引いて、前もって配置しておいた樹冠下部の予備枝に側枝を更新していく。配置する発育枝を利用した側枝の本数はフェンス幅によって多少異なるが、1樹当たり片側4mで15本程度が適当と思われる(図2)。
- (4)植栽9年目における10a当り収量は1.5m幅では1,201kg、2.0m幅では1,470kgであった。そして2L以上の比率をみると、フェンス仕立ては、慣行仕立てに比べてどのフェンス幅も高く、中でも1.5m幅や2.0m幅でその比率は大きかった(表1)。また枝条別の収量構成としては、発育枝を利用した立ち枝側枝の割合を50%程度にすることとが望ましい(表2)。
- (5)フェンス仕立ての作業効率は、1.5m幅で79.1kg/hr/人、2.0m幅で65.6kg/hr/人であり、慣行仕立て法の1.3~1.6倍であった(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- (1)水田転換園など平坦地で適応性が高い。
- (2)主幹を低くして着果部の拡大を図る。
- (3)側枝はすべて張線に誘引し、樹冠内部の受光を良くする。
- (4)多雪時には樹幹内部の雪を除去するなど、雪害対策に留意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
うめ
経営管理
省力化
水田転換園
低樹高
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