タイトル |
早生リンゴ「さんさ」のわい化栽培における適正着果量の設定方法 |
担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
わい性台木CG10を用いた「さんさ」の適正着果量は主幹の断面積から算出した着果指数で設定することができる。
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背景・ねらい |
温暖地においても着色良好なリンゴ早生品種「さんさ」に農家の期待がよせられているが、果実の大きさや収量性を観点とした着果基準が確立されておらず、小玉果の増加が生産振興上の問題となっている。このため、着果程度と果実の大きさ及び収量の間の関係を明らかにして適正着果量を設定するための簡易な手法の確立を図る。
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成果の内容・特徴 |
- (1) 着果程度を判定するために主幹の太さ(接ぎ木部上20cmの幹周)から算出した幹の断面積と着果数から算出した着果指数を用いた。
- 着果数 (個)
- 着果指数=
- 主幹断面積 ( )
- (2) 試験はCG10を中間台木(20cm)とした6樹を用い、樹齢8~10年まで3年間調査した。
- (3) 着果量は仕上げ摘果時に調節し、少・中・多着果区とした。同時に主幹の太さ、葉枚数、着果数から着果指数を算出した(表1)。
- (4) 着果指数と10a当たり収量の間には正の相関が認められ、着果指数を1増やすと10a当たり約0.7t収量が増加する(図1)。
- (5) 着果指数と1果重の間には負の相関が認められ、回帰式から着果指数を1増やすと約 21g果重が減少する(図2)。
- (6) 着果指数と葉果比(果実1個当たりの葉数)の間には負の相関が認められ、回帰式から着果指数を1大きくすると葉果比は約33小さくなる(図3)。
- (7) 1果重250g以上で10a当たり2t以上収穫する場合の着果指数の範囲を求めると2.08~2.95(葉果比66~95)であり、着果指数を指標として「さんさ」の適正着果量を設定することができた。
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成果の活用面・留意点 |
- (1) わい化栽培リンゴの着果量設定に応用できる。
- (2) 着果指数に対応する葉果比は着果指数1では約130、2では約97、3では約64である。(3) 品種、台木、樹齢の組合せによる適正着果指数は今後調査する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
台木
接ぎ木
品種
りんご
わい化
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