タイトル |
根こぶ病抵抗性ツケナ新品種「勝山ミズナ1号」 |
担当機関 |
福井県農業試験場 |
研究期間 |
1991~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
在来のとう菜「勝山水菜」に根こぶ病抵抗性のカブ「77b」を交雑し、「勝山水菜」への戻し交雑によって根こぶ病抵抗性を付与した品種である。
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背景・ねらい |
福井県勝山市で栽培されている「勝山水菜」は、雪解け後に伸長してきた花茎を収穫するとう菜の一種であるが、土壌病害の根こぶ病の蔓延で栽培が困難になってきている。そこで、根こぶ病抵抗性のカブと交雑し、戻し交雑によって抵抗性品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 1.育成の経過
- 平成3年4月に「勝山水菜」と根こぶ病抵抗性カブ「77b」を交雑し、そのF1を「勝山水菜」に2回戻し交雑した。その後、自殖を2回繰り返し、抵抗性因子のホモ化と形質選抜を平行して行い、最後に優良系統同志を交雑して育成系統とした(図)。2ケ年間の特性検定を行い、その優秀性が認められたので、平成8年に品種登録の申請を行った。
- 2.特性の概要
- (1)従来種に比べて、外観はよく似ており、越冬前の生育もほぼ同程度であるが、ダイコン様の葉を持つ個体の混入率が在来種より低く、越冬前の抽苔も全く見られない(表1)。
- (2)収穫したとうの長さ(葉を含めた全長)、茎長、葉数、重さは在来種より優れ、多収となる(表2)。収穫期は在来種より4日程度早い(表2)。
- (3)根こぶ病に対しては強度抵抗性を示す(表3)。
- (4)おひたしにした食味は、外観(主に色)、味、食感の点で在来種より優れ、総合的にも在来種と同等以上である(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- (1)本品種の育成により無農薬栽培も可能となり、付加価値の向上にもつなげられる。
- (2)本品種に対して罹病性となる根こぶ病菌の新しいレース出現を防ぐため、連作を避けるなど耕種的防除を励行する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
かぶ
新品種
だいこん
抵抗性
抵抗性品種
農薬
品種
防除
良食味
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