イネのリコンビナント・インブレッドラインおよびRFLP連鎖地図

タイトル イネのリコンビナント・インブレッドラインおよびRFLP連鎖地図
担当機関 北陸農業試験場
研究期間 1995~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 インド型品種「密陽23号」と日本型品種「アキヒカリ」との交雑により、単粒系統(SSD) 法を用いて191系統からなるリコンビナント・インブレッドライン(RILs)を育成し、連鎖地図を作成し た。本地図は165個の制限酵素断片長多型(RFLP)マーカーを用い、ほぼゲノム染色体全域 をカバーしている。
背景・ねらい 制限酵素断片長多型(RFLP)マーカー等の分子マーカーの開発および作物のそれを用いた連鎖地図の作成により、これまで解析が困難とされてきた量的形質についても、その遺伝様式や遺伝子座(QTL)に関する解析が可能となってきている。効率的かつ精度の高い分析を行うためには、反復試験が可能な解析集団が必要であり、RILsを開発し、さらにRFLPマーカーによる連鎖地図を作成する。
成果の内容・特徴
  1. 単粒系統(SSD)法によりインド型品種「密陽23号」と日本型品種「アキヒカリ」との交配組合せの191系統からなるRILsを育成した。
  2. RILsのF5について、RFLPマーカーによる連鎖地図を作成した。本地図は、第4、5、10染色体で多型が認められない一部の染色体領域はあるものの、165個のRFLPマーカーでイネのほぼゲノム染色体全域(1125.8cM)をカバーしている(図1)。
  3. RFLPマーカーを用いた解析から、遺伝子頻度の分離に異常(歪み)を生じる領域が、12本の染色体上に合計16カ所あることが認められる。また,第11と12染色体の端部で、10~20cMにわたり染色体が重複する領域が認められる(図1)。
  4. 出穂期に関しては、RILs全体として2ヶ月間程度の変異しかなく、育成過程における未出穂個体・系統も少なかった。
  5. 量的形質遺伝子座(QTL)解析を行った結果、第2、3(2ヵ所)、6、7、9(2ヵ所)、10、11染色体の合計9ヵ所で出穂性に関連するQTLが認められる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本RILsは出穂性については比較的変異幅が小さく、広い遺伝変異が保有されている可能性があるので、収量性や米品質等の重要農業形質に関する遺伝解析に利用することが出来る。
  2. 一部解析の出来ていない染色体領域があること、分離異常が認められることなどに留意する必要がある。
  3. F5においてRFLP分析をおこなったので、一部ヘテロ部分で分離が生じる。
  4. 農業形質の評価に当たっては、多くの場合出穂性との関連が形質発現の重要な要因となるので、出穂性のQTL解析の結果を参考にしながら進める。
図表1 214171-1.gif
カテゴリ 品種

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