我が国における最近のオオムギ雲形病菌のレース

タイトル 我が国における最近のオオムギ雲形病菌のレース
担当機関 北陸農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 1989年~96年に国内各地から採取した雲形病菌に、病原性の分化(レース)が認められた。供試した 126菌株は5つのレースに類別され、新たに確認されたレースJ-4a(仮称)が約70%を占める。
背景・ねらい オオムギ雲形病(Rhynchosporium secalis)は、北陸や東北地域中心に恒常的に多発生し、収を量と品質低下の大きな要因となっており、低コスト安定生産を推進する上から抵抗性品種の育成が進められている。一方、本病菌には病原性の分化(レース)が知られているが、我が国では梶原・岩田(1963)が J-1~J-10の10レースを報告しているのみである。近年の国内レース分布実態は不明であることから、梶原・岩田(1963)の判別品種に主要栽培品種である「ミノリムギ」と「カシマムギ」を加えた12品種を供試し、国内におけるレースの分布を明らかにし、抵抗性品種利用のための基礎的知見を得る。
成果の内容・特徴
  1. 1989~1996年に北陸地域を中心に全国各地から雲形病罹病葉を採取し、分離した126 菌株のレース検定を行った結果、5つのレースが確認された(表1)。
  2. レースの構成割合は、レースJ-4が約16%、J-5が約6%であり、レースJ-4よりも病原性の幅が狭いレースJ-4a(仮称)に相当する菌株が約70%を占める(表1)。
  3. 東北農試(岩手県盛岡市)育種圃場から採取した菌株の中にのみ、病原性の幅の広いレースJ-7とJ-9が認められた(表1、2)。
  4. レースと採取年次や地域間に明瞭な関係は認められない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 品種育成および選定のための基礎的資料となる。
  2. 雲形病抵抗性品種・系統の利用にあたっては、雲形病菌レースの変化と、それによる抵抗性の崩壊に留意しなければならないことから、定期的なレース分布調査が必要である。
図表1 214187-1.gif
図表2 214187-2.gif
カテゴリ 育種 大麦 抵抗性 抵抗性品種 低コスト 品種

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