タイトル |
発光ダイオードによるオオタバコガの交尾阻害 |
担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
発光ダイオード(LED)による590nmの黄色光はオオタバコガに対して交尾阻 害効果がある。この効果は光源の明るさによって変動する。
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背景・ねらい |
トマトやキク等の施設栽培において黄色蛍光灯を夜間点灯すると、オオタバコガの被害が軽減される事例が各地で報告され、その要因は果樹吸蛾類と同様な忌避効果と想定されている。しかし、捕虫器を取り付けて黄色蛍光灯を点灯すると、少数ながらオオタバコガが捕獲され、黄色光に対する忌避効果は判然としなかった。そこで、省エネルギー素材である発光ダイオード(以下LEDという)を用い、黄色光がオオタバコガの行動に及ぼす影響を調査した。
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成果の内容・特徴 |
- 420(紫)、470(青)、560(黄緑)および590(黄)nm付近にオオタバコガ成虫の網膜電位信号のピークが見い出され、オオタバコガは黄色光を比較的強く感受することが示される(図1)。
- 黄色LED光に対するオオタバコガ成虫の忌避的反応を調査するため、青色LED(470nm)と黄色LED(590nm)を同時に点灯したところ、黄色LED側のトラップに青色の約1/4の成虫が捕獲され、黄色に対する忌避的反応は判然としない(図2)。
- スクリーンケージ(30cm×25cm×20cm)内における観察でも、黄色LEDの光源付近に約30%の個体が集まり、黄色光に対する忌避的反応は認められない(表1)。しかし、コーリング(求愛)虫の割合が暗黒下(対照)の約1/3に減少しており、黄色光が交尾行動に影響を及ぼす可能性が示唆される。
- 黄色LED点灯下での交尾雌率は、光源の明るさが92.2μmolm-2s-2では0%、0.4μmolm
-2s-2では40%、無点灯時47.5%となり、明るさが交尾阻害の重要な要因である(表2)。 - 今回実験で用いた超高輝度LEDは連続点灯光のものである。
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成果の活用面・留意点 |
- 発光ダイオードを用いた防除装置開発のための基礎資料となる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
きく
施設栽培
省エネ・低コスト化
トマト
防除
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