潤土直播栽培の出芽・苗立ち期における鳥害を想定した被害許容苗立ち数

タイトル 潤土直播栽培の出芽・苗立ち期における鳥害を想定した被害許容苗立ち数
担当機関 北陸農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 潤土直播栽培では播種後の鳥害によって苗立ち数の減少が問題となるが、1㎡当たり20本以上の苗立ち数が確保されると大きな減収とはならない。
背景・ねらい 水田に直接種籾を播く直播栽培は、省力・低コスト稲作栽培技術である。しかし、水田に種籾を播くとカラス、ハト、スズメ、カモ等が種籾を食害し、出芽・苗立ち率を低下させ大きな問題となっている。鳥害防止にかかしや爆音機等が用いられているが、鳥類はこれらが安全であることを学習すると、それ以後は追い払い効果が無く、鳥害を完全に防ぐことは困難である。そこで、鳥害を想定した苗立ち数の減少が収量に及ぼす影響を解析し、被害許容苗立ち数の目安を得ようとした。
成果の内容・特徴
  1. 潤土直播栽培の標準播種量1㎡当たり200粒(乾籾10a当たり7kg相当)を基準にして、その約90%までが食害されたことを想定して解析を行う。
  2. 苗立ち数が減少すると1株当たり穂数、1穂籾数が増加し、単位面積当たり籾数が確保される補償作用が認められる(図1)。
  3. 「キヌヒカリ」は1㎡当たり20本以上の苗立ち数があると減収は認められなかった。しかし、苗立ち数が10本前後になると約30%の減収となる(表1)。
  4. 「どんとこい」は1㎡当たり苗立ち数が21.5本で約8%の減収となる。
  5. 潤土直播栽培では苗立ち数が1㎡当たり20本以上確保されると、大きな減収とはならない。この値は鳥害によって苗立ち数が減少した水田の被害許容苗立ち数の目安となる。
成果の活用面・留意点
  1. 水田内の高低差による深水や苗腐病等による出芽・苗立ち不良の場合は水稲の初期生育が低下するので、被害許容苗立ち数の目安は適用できない。
  2. 集中的な食害を受け、極端な苗立ちむらが生じた所では、この目安は適用できない。
図表1 214190-1.gif
図表2 214190-2.gif
カテゴリ 栽培技術 直播栽培 水田 水稲 鳥害 低コスト 播種

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