タイトル |
水田における黒色再生紙マルチの抑草効果 |
担当機関 |
新潟県農業総合研究所 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
水稲の減農薬・減化学肥料栽培において、再生紙マルチによる雑草抑制効果は、黒色再生紙マルチの方が無着色再生紙マルチより高い。また、黒色再生紙マルチでは無着色再生紙マルチより初期生育が良好であり、収量が高まる傾向がある。
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背景・ねらい |
水稲の減農薬・減化学肥料栽培においては、除草剤を施用しない雑草防除技術の確立が重要な課題の一つである。新潟県においては、中耕除草機による機械的防除や深水管理による耕種的防除などが実施されてきたが、連年処理による雑草の増加などの問題がある。鳥取県で開発された再生紙マルチ栽培を新潟県で適用するにあたり、マルチによる地温低下で初期生育が劣ることが懸念された。そこで、従来の無着色再生紙とカーボンを塗布した着色(黒)再生紙(以下黒色再生紙)を用いて、再生紙の色の違いによる雑草抑制効果と初期生育の違いを明らかにして、減農薬・減化学肥料における雑草防除技術の向上を図った。
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成果の内容・特徴 |
- 移植時に再生紙でマルチすることによって、移植後60日頃までは初中期一発除草剤並に雑草の発生が抑制される。黒色再生紙マルチの方が無着色再生紙マルチより抑草効果が高い
(図1)。 - 再生紙と田面との密着性は、黒色再生紙の方が無着色再生紙より高い。土壌表面のらん藻由来のクロロフィルa量は、無着色再生紙マルチでは無マルチ並に多く、黒色再生紙マルチで少ない(図2)。藻類から発生する気泡の量が、再生紙の密着性に関係すると思われる。
- 無着色再生紙マルチは、生育初期に平均地温が低下する傾向があるが、黒色再生紙マルチでは無マルチと同等の地温で推移する(図3)。
- 再生紙は幼穂形成期頃になると指で押しても抵抗がなくなり、成熟期では達観で紙の存在がわからなくなる。
- 初期生育及び収量は、黒色再生紙マルチの方が無着色再生紙マルチより高まる傾向がみられる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 専用田植機と再生紙が必要である。紙代は10アール当たり約2万円かかる。
- 新潟農総研・作物研圃場(沖積、細粒グライ土)でコシヒカリを栽培した結果である
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
雑草
除草機
除草剤
水田
水稲
農薬
防除
水管理
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