タイトル |
水稲におけるリン酸の低投入施肥管理 |
担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
乾田におけるリン酸富化土壌(トルオーグ:20mg/100g乾土以上)では、稲わらを施用することにより、リン酸施用量を5カ年間4kg/10a以下に減肥しても土壌中の可給態リン酸含量は低下せず、かつ安定収量を保つことができる。
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背景・ねらい |
石川県では、水田のリン酸の施肥量基準として8~13kg/10a(農業技術対策指導指針)土壌診断基準として、リン酸(トルオーグ)は10mg/100g以上と策定されている。しかし、高濃度リン酸肥料の連年の施用により、今ではリン酸が富化された土壌も多くなってきている。そこで、リン酸富化土壌において、リン酸の経年変化や水稲に対する有効性を把握し、土壌診断基準値の見直しとともに、リン酸の低投入地力維持・管理技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- リン酸の減肥・無施用栽培を5カ年継続しても、土壌中の可給態リン酸含量の低下がみられない(図)。
- 最高分げつ期における生土ブレイⅡリン酸濃度は、リン酸施用量の増加とともに高まり茎数も増加した。茎葉中リン酸濃度は、いずれの区も必要とするリン酸濃度(0.7~0.8%)は確保される(表1)。
- リン酸富化土壌では、対照区に比べリン酸増肥区で生育が旺盛になったものの収量指数は低下し、リン酸減肥区で増収する。また、リン酸無施用は大粒割合が多くなるものの収量の増加にはつながらない(表2)。
- リン酸が富化された土壌で、稲わらを還元する場合のリン酸施用量は4kg/10a以下
が適量と考えられる。
- 乾田でおこなった試験であり、湿田および半湿田では対象とはならない。
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成果の活用面・留意点 |
- 土壌診断をおこない、リン酸富化土壌(トルオーグリン酸:20mg/100g乾土以上)で
は、リン酸施肥量を4kg/10a以下と積極的に減肥し、土づくり資材のリン酸施用も控 える。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
管理技術
水田
水稲
施肥
土壌診断
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