土壌から発生する二酸化炭素を簡便に測定する拡散型チェンバー

タイトル 土壌から発生する二酸化炭素を簡便に測定する拡散型チェンバー
担当機関 北陸農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 土壌から発生する二酸化炭素のフラックス密度を簡便に測定する拡散型チェンバーを開発した。従来の密閉型チェンバー法と同程度の手軽さで、土壌呼吸量の連続測定が可能である。
背景・ねらい 土壌呼吸量を測定するために用いられている従来のチェンバー法は、密閉型と通気型に大別される。このうち密閉型は基本的に連続測定が不可能であり、試料空気を採取してガスクロマトグラフ等で測定する場合には、現場でデータが得られないなどの欠点がある。一方、通気型は連続測定が可能であるが、赤外線式ガス分析計や吸引ポンプ等が必要であるため、簡便さに欠ける。そこで、簡便に連続測定が可能なチェンバー法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本測定法は、地表から出る二酸化炭素をガス拡散抵抗が既知の拡散媒体に導き、媒体前後の濃度差および媒体のガス拡散抵抗よりフラックス密度を得る(図1)。ただし、大気側の二酸化炭素濃度はチェンバー設置前にあらかじめ測定しておいたものを用いることにより測定を簡易化した。
  2. チェンバー内部の二酸化炭素濃度測定には市販の電極式CO2メーター(東亜電波)を使用する。この方式のセンサーは赤外線式ガス分析計等に対して精度は劣るが安価であり、直流9vによる駆動が可能である。
  3. 密閉型チェンバー法では時間が経過すると測定が不可能になるが、本方法ではチェンバー内の濃度はフラックス密度に比例した擬定常状態に保たれるため、連続測定が可能である(図2)。
  4. 風による誤差を少なくするために、ガス拡散媒体には構成粒子の相当直径が約0.2㎜
    のポーラスストーン(鉱物粒子を焼結させた多孔質)を用いている(図3)。
  1. 活用面:商用電源のない場所や器材運搬が困難な山間地等での連続測定が容易になる。
成果の活用面・留意点
  1. 活用面:商用電源のない場所や器材運搬が困難な山間地等での連続測定が容易になる。
  2. 留意点:拡散媒体は水に濡れると拡散抵抗値が変化するので、雨よけの工夫が必要である。
  3. 二酸化炭素発生強度およびセンサの分解能を勘案して、チェンバーの拡散抵抗値が適切な値になるように拡散媒体の厚さと面積を選ぶ必要がある。
  4. 本システムによる測定値は以下の誤差を含む。
    ・電極式CO2メーターの誤差(公称5%以下)
    ・測定中に大気中の二酸化炭素濃度が変動することによる誤差。例えばフラックス密度が0.5gCO2/m2/hrの場合に、大気中の二酸化炭素濃度が10ppmv変動すると、約2%の測定誤差を生じる(試作機の場合)。
  5. 特許申請中(特開平7-333129)。
図表1 214212-1.gif
図表2 214212-2.gif
図表3 214212-3.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる