タイトル |
水稲の無粉衣種子を用いた作溝無代かき湛水表面散播直播作業体系 |
担当機関 |
新潟県農業総合研究所 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
水稲の無粉衣種子を用いた作溝無代かき湛水表面散播直播栽培を体系化した。10a当たりの延べ労働時間は、乗用管理機を利用した作業体系の場合、10時間程度となる。
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背景・ねらい |
水稲栽培の低コスト技術として直播栽培は有効な手段であるが、現行の直播栽培では通常過酸化石灰剤の種子粉衣作業が行われており、作業環境などに問題があった。そこで、種子粉衣作業を省略した、無代かき湛水散播直播栽培について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 水稲の無粉衣種子を用いた作溝無代かき湛水表面散播直播栽培を体系化した。
- 無代かき整地作業には、大土塊をつぶして田面を均平に仕上げるため、ロータリの後方に駆動式鎮圧・作溝ローラ(溝幅7.5×深さ5㎝)を装備した耕うん同時鎮圧・作溝機を用い一工程で行う。土壌水分が低い場合にはやや作業性が劣るが、ローラ回転速度を遅くすることで対応できる(表1)。
- 整地時期は5月中旬を播種期とした場合、雑草防除の関係から播種前2週間以内とする(表2)。
- 播種期は5月中旬、播種量は無粉衣種子(催芽種子)を10a当たり乾籾重で6㎏とする。
- 「味こだま」を用いる場合、基肥窒素量は代かき直播より多くし、10a当たり4~5㎏とする。水稲の3.5葉期に窒素成分で10a当たり3㎏追肥を行う。穂肥時期及び施肥窒素量は、1回目は出穂前25日に10a当たり2.5㎏、2回目は出穂前15日に1.5㎏とする。
- 重粘土水田において「味こだま」を用いた場合、10a当たり500㎏程度の収量が得られる(表3)。
定幅散布機を装備した乗用管理機を利用した作業体系では、10a当たりの延べ労働時間は10時間程度である(表4)、(図)。
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成果の活用面・留意点 |
- 無粉衣種子の播種に動力散布機を用いると苗立率が低下する場合があるので、定幅散布機または無人ヘリコプタを使用する。
- 雑草防除は、無代かき整地前に耕起前除草剤を散布し、播種後は湛水直播除草剤として登録されているものを用いる。後発の雑草が見られる場合、後期剤のBAS-3510(Na)及びDEH・BAS乳(ME)剤を処理する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
直播栽培
除草剤
水田
水稲
施肥
低コスト
播種
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