タイトル |
スターホイルトラクタによる湛水直播作業体系 |
担当機関 |
福井県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
大区画水田の現地実証試験でスターホイル(ロークロップ車輪)装着トラクタを用いた省力・低コスト性の高い湛水直播トラクタ一貫作業体系を確立した。この作業体系に荒代かきや浸漬籾播種を組み合わせることで、一層の省力化ができる。
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背景・ねらい |
低コスト・高能率・快適な稲作技術確立に向けて、大区画水田における管理作業用に開発したスターホイル(水田用ロークロップ車輪)を活用した湛水直播トラクタ一貫作業体系の確立を図る。そのため、現地大区画圃場において体系の組立実証試験を実施した。
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成果の内容・特徴 |
- 耕起から代かきまでは通常のハイラグタイヤを装着し、播種作業からスターホイルを装着することで、1台のトラクタ(34KW)により収穫直前までの多くの管理作業を行える作業体系が実証できた(図1)。
- 水稲生育期間中にスターホイルトラクタが走行することで、稲体が損傷を受け、収量低下がみられるが、圃場全体でみるとその程度は小さく、減収率は2~3%である(表1)。
- より一層の省力化を図るため取り組んだ荒代かき(慣行では2行程で仕上げる代かきを1行程で仕上げる)区の苗立率は、慣行代かき区とほぼ同等となり、収量は慣行並~やや上回る(表2)。
- 酸素発生剤カルパー粉衣を省略した浸漬籾区の苗立率はカルパー籾区よりも低下したが、播種量を増加させることで苗立数は確保でき、収量もほぼ同等である(表2)。
- この湛水直播一貫作業体系は、実証地区内の移植栽培と比べ、10aあたりの労働時間は48~43%に、費用合計では88~84%に軽減され、省力・低コスト栽培を可能とした(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- この体系は、オペレータ1人または、オペレータ+補助者の計2人で稲作の全作業を実施できる。
- 1台のトラクタ+アタッチメント(作業機)で収穫以外の全作業ができ、機械費の低減が可能となる。
- スターホイルトラクタで耕盤層の地耐力が小さい圃場や暗渠排水埋設位置直上を走行すると、トラクタが沈下を起こしやすいので注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
省力化
水田
低コスト
低コスト栽培
播種
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