| タイトル |
りんご「さんさ」に適したわい性台木 |
| 担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
| 研究期間 |
1997~1997 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
りんご「さんさ」は、マルバカイドウを根系台木とし、長さ20cmのCG.10を中間台とした二重台法により、細型紡錘形で4.5m×2mの植栽距離に適した樹勢となり、安定多収・高品質果実の生産が可能となる。また、長さ20cmのM.9Aを用いても収量性に優れる。
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| 背景・ねらい |
「さんさ」は早生品種として有望であるが、わい性台木M.26を使用した場合、接ぎ木部の肥大が顕著で、樹勢衰弱が著しく、生産量が低下することが明らかとなっている。 そこで、過度な切り返しや間伐を必要とせず、高品質果実の安定多収及び密植栽培による生産力維持が可能なわい性台木の種類と長さについて検討した。
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| 成果の内容・特徴 |
- マルバカイドウを根系台木とし、長さ20cmのCG.10を中間台とした二重台法で樹が比較的コンパクトとなり、生産の安定性及び果実品質も優れることから、「さんさ」の台木として最も適している。CG.10の台木が手に入らない場合はM.9A/マルバカイドウの中間台木長20cmの二重台法でも良いが、隔年結果的な傾向がみられることから着果量に配慮する必要がある。
- 定植10年目における台木の太さ、接ぎ木部の太さ、穂品種(主幹)の太さはいずれもCG.10(20cm)/マルバカイドウが最も小さく、また樹冠の幅、長さとも有意差はないがCG.10(20cm)/マルバカイドウが短い傾向にある(表1)。
- 1樹当たり累積収量は、M.9A(20cm)/マルバカイドウ及びCG.10(20cm)/マルバカイドウが約140kgと最も多い。しかし、CG.10(20cm)/マルバカイドウは年ごとに安定して増加する傾向にあるが、M.9A(20cm)/マルバカイドウでは収量の多い年と少ない年の差が大きく、隔年結果的な傾向がある(図1)。
- 果実の着色は、CG.10(20cm)/マルバカイドウ及びM.9A(20cm)/マルバカイドウが優れている。糖度はCG.10(20cm)/マルバカイドウが14%以上と最も高い。1果平均重、硬度、酸度には台木による差は認められない(表2)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 「さんさ」の新植及び改植の場合に利用できる。。
- 植栽距離は4.5m×2mとし、樹の仕立て法は細型紡錘形とする。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
改植
栽培技術
台木
接ぎ木
品種
りんご
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