うめ黒星病のスプリンクラー防除

タイトル うめ黒星病のスプリンクラー防除
担当機関 福井県園芸試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 うめの黒星病防除にスプリンクラーを用いた場合、薬剤散布量を10a当たり600㍑とすることで、慣行の手散布と同様の防除効果が得られ、高い能率で防除作業が可能となる。
背景・ねらい  うめの高品質安定生産のため、果実肥大期は病害虫防除が欠かせない。慣行の手散布では、春先は天候が変化しやすく適期防除が困難であったり、大規模経営農家では防除作業が連日となる問題がある。また、うめ栽培圃場の多くは傾斜地にあるため、高能率のスピードスプレヤーの利用も困難である。
 防除の高能率・省力化をはかるため、慣行と同様の防除体系によってスプリンクラーの防除効果と適正散布量を検討する。なお、主要品種の「紅サシ」は黒星病抵抗性がきわめて低いため、黒星病の防除効果を指標に用いて、うめに対するスプリンクラーの防除効果を調査する。
成果の内容・特徴
  1. 果実に対する黒星病の感染期となる4月中は、いずれの散布量においても、薬液付着が極端に劣る部位は認めら》れない。枝葉が繁茂するにしたがって付着程度が低下し、特に新梢伸長停止期の樹冠下層では付着程度がかなり低下する部位が生じる(表1)。
  2. '96年は黒星病の発生が少なく、散布量の多少による違いが認められなかったが、'97年は散布量300㍑/10aで6%の発病が認められ、手散布と同じ散布量では効果が安定しない。灰色かび病は2か年をとおして発生が少なかった。このことから、スプリンクラーの薬液散布量は600㍑/10aを基準とする(表2)。
  3. 設備費として10a当たり100万円前後必要でコストは高いものの、10a当たり600㍑の散布時間は3分16秒で、省力効果がきわめて大きい(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 枝葉繁茂が進んだ状態では薬液付着が減少し、ウメシロカイガラムシなどの枝幹害虫に効果が劣るので、これらに対応する防除は従来どおり手散布とする必要がある。
  2. スプリンクラーヘッドは中圧、飛距離中程度のものを適用する。
図表1 214238-1.gif
図表2 214238-2.gif
図表3 214238-3.gif
カテゴリ 病害虫 うめ 害虫 黒星病 傾斜地 コスト 省力化 大規模経営 抵抗性 病害虫防除 品種 防除 薬剤

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