タイトル |
キャベツ、ハクサイの機械移植におけるセル苗の低温貯蔵法 |
担当機関 |
福井県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1997 |
要約 |
キャベツ、ハクサイの機械移植適期幅を拡大するため、低温暗黒貯蔵法につ いて、好適な貯蔵温度条件、貯蔵期間を明らかにした。貯蔵温度はキャベツで5℃、ハクサイで5~10℃、貯蔵期間は両作物とも5~10日間が適する。
|
背景・ねらい |
秋野菜のキャベツ、ハクサイでは機械移植が早くから導入され、最近では、セル成型苗の普及により機械化、省力化が一層進められている。しかし、根鉢が小さく、移植適期幅が短いため、天候不順等により移植時期が遅延すると、老化苗や大苗になり機械移植に支障を来している。そこで、セル成型苗の移植適期幅の拡大を図るため、低温暗黒貯蔵法について明らかにした。
|
成果の内容・特徴 |
- 機械移植に適したキャベツ、ハクサイの苗は草丈が6~9cm、葉令がキャベツで2~
4.5葉期、ハクサイで3.4~4.1葉期である(図1、3)。 - 冷蔵後出庫時の生育(草丈、葉令)は対照に比べ、冷蔵苗は何れも抑制された。しかし、ハクサイの15日間貯蔵では子葉や第1葉が黄化し、特に15℃でその傾向が強くなる。
- 定植後1ヶ月の生育は、キャベツ、ハクサイとも貯蔵期間では5日>15日>10日の順であり、貯蔵温度では5℃>10℃>15℃と貯蔵温度が高くなるほど生育は抑制された。ハクサイは、特に各貯蔵期間とも15℃は劣った(図2,4)。
- 収量は、対照に比べ、貯蔵期間では5日>10日>15日の順となった。特に貯蔵温度が高くなるほど減収率は高くなった。
- 品質は規格別割合でみるとキャベツ、ハクサイいづれも貯蔵期間の長さや貯蔵温度の高さに反比例して、下位等級割合が高くなった。
以上の結果からキャベツ、ハクサイとも貯蔵期間は5~10日がよく、また貯蔵温度はキャベツで5℃、ハクサイでは5~10℃が適当である。
|
成果の活用面・留意点 |
- 夏季高温時、低温冷蔵した苗を移植することになるので、出庫直後には半日程度日陰で、順化を行い、涼しくなってから移植する。
- 移植後は充分に灌水を行い、活着を促進する。
- ハクサイでは、5℃以下の温度に15日以上遭遇すると、抽台することがあるので留意する。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
カテゴリ |
機械化
キャベツ
栽培技術
省力化
はくさい
|