タイトル |
ウド野生種クローン大量増殖のための不定胚誘導法 |
担当機関 |
新潟県森林研究所 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
ウド野生種のクローン大量増殖法として、不定胚誘導培地を検討した。系統によって培地組成は異なるが、無機塩類を1/2にした1/2MSを基本培地として、BA 0.1mg/l、2,4-D 1.5mg/lまたは、BA 0.2mg/l、2,4-D 1.0mg/lの組み合わせで最も多の系統から不定胚が誘導された。
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背景・ねらい |
野生のウドから緑化ウド用の優良系統を選抜する場合、クロ-ン増殖を根株分割だけで行うことは効率が悪く、優良系統が見つかっても普及するのに時間がかかることになる。そこで、ウド野生種についての不定胚誘導によるクロ-ン大量増殖方法について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 培養部位は完全に展葉する前の小葉(擬葉)の葉柄を用い、野生種19系統と栽培種2系統を供試した。
- 初代培地としてMSと無機塩類を1/2にした1/2MSを用い、ショ糖2%、寒天0.75~0.8%、BAと2,4-Dを組み合わせてpH5.6に調整した。培養環境は25℃または30℃で、
3,000~4,000ルクス8時間日長とし、約25日でホルモンフリ-培地に移し、以後1ヶ月毎に継代した。その結果、全ての系統が不定胚を形成した。
- 培地によって系統の不定胚形成率が異なり、基本培地では1/2MSで高く、ホルモン組成では、2,4-D 1.0~2.0mg/l、BA 0.1~0.2mg/lで高い(表1)。
- 1/2MS BA 0.1mg/l 2,4-D 1.5mg/lと1/2MS BA 0.2mg/l 2,4-D 1.0 mg/lの2種類の培地を合わせると、21系統のうち17系統が不定胚を形成している(表2)ので、汎用的にはこの2種の培地を用いるのが有効である。
- .培養温度25℃に比べ30℃の方が不定胚形成率が高く(表3)、25℃で不定胚形成のないクロ-ンでも30℃で形成される場合がある。
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成果の活用面・留意点 |
- 一般にカルス不定胚誘導法は苗条原基誘導法に比べて変異の起こり易いことが指摘されており、変異の出現に注意する必要がある。
培地温度30℃では、再分化した植物体の成長が25℃に比べて劣る傾向がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
うど
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