タイトル |
ラッキョウからの水溶性食物繊維(フルクタン)の製造方法 |
担当機関 |
福井県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
ラッキョウの新しい利用法として,球根部から水溶性食物繊維であるフルクタンを製造する方法を開発した。
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背景・ねらい |
ラッキョウ甘酢漬けの製造工程では,原料の約40%が不要部分として棄てられており,産業廃棄物として問題となっている。一方,食品の生理機能に対する関心が高まっているが,ラッキョウには水溶性食物繊維であるフルクタン(果糖の多糖類)が多量に含まれており,その含量は乾物当たり70%に達する。そこで,未利用資源の有効利用と,新規利用を図る目的で,ラッキョウから水溶性食物繊維であるフルクタンを調製する方法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 図1にラッキョウからフルクタンを調製する方法を示す。
その特徴は,水で抽出を行った後,一晩放置し不溶性のガム質を除去する点,水酸化カルシウムによるアルカリ処理で除蛋白し,炭酸ガスで中和を行う点,活性炭処理,減圧濃縮で臭い成分を取り除く点にある。
- この方法により,生ラッキョウの球根部1kgから100g以上のフルクタン乾燥粉末が得られ,これは乾物量の約50%に相当する。
- このようにして得られたフルクタンの ,食物繊維含量は96.0%であり,糖質のほとんどは食物繊維である(表1)。
- このフルクタンは,他の植物フルクタンの一種であるイヌリンよりも高分子で,6,000~100,000の広い分布を示す(図2)。また,冷水に可溶であり,性質もイヌリンと異なる(イヌリンは冷水不溶)。
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成果の活用面・留意点 |
- 産業廃棄物として多量に廃棄されるラッキョウ残渣物を,機能性食品素材として有効利用することができる。
- 得られたフルクタンは水溶性食物繊維として,冷菓,飲料,菓子,麺類等幅広く食品に利用できる。また,ラッキョウ下漬け発酵用乳酸菌スターターの培養基として利用できる。
- 酸性(pH4以下)域で加熱を要する食品では,加水分解を受け果糖を生じやすいので,注意すること。
- なお,特許出願中のため,活用に当たっては問い合わせること。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
機能性食品
未利用資源
らっきょう
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