新潟県における葉いもち全般発生開始期とその予測

タイトル 新潟県における葉いもち全般発生開始期とその予測
担当機関 新潟県農業総合研究所
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 新潟県の全般発生開始期及びその後の2世代期は,BLASTAMと微気象法の併用により予測できる。平5~10年の全般発生開始期は6月20日前後と推定され,この結果から示される新潟県の葉いもち防除開始時期は,およそ6月末となる。
背景・ねらい 新潟県においては穂いもち多発生年には、葉いもちの防除遅れが常に指摘される。必要最小限の農薬使用により安定した穂いもち防除効果を得るには,葉いもちの適期防除によって極力穂いもち伝染源量を減少させる必要がある。
 葉いもち防除は全般発生開始期病斑を1世代として、3世代目の病斑を出現させないように実施することが推奨されている(小林1984)。これを実践するには、全般発生開始期の予測精度の向上が必要である。そこで新潟県における全般発生開始期の実態を明らかにすると共に、その予測法を確立し,必要最小限の農薬使用による効率的ないもち病防除法の開発に資する。
成果の内容・特徴
  1. 全般発生開始期の確認は100m3条見歩き調査によって行った。この方法によって確認した全般発生開始時期には、発病した補植苗から20~30m離れた本田株、あるいは早期多発圃場の周辺圃場でも病斑が確認される(表3)。
  2. 平成8~10年の全般発生開始期の病斑は6月10~14日のBLASTAMによる感染好適条件によって生じたと考えられ、その後の発病経過は微気象法による感染好適条件の出現状況と一致した(表2)。
    このため、BLASTAMと微気象法の併用によって全般発生開始期から2世代期の高精度予測が可能である。
  3. 平成5~10年の新潟県では、見歩き調査および発病補植苗から本田株への伝染によって発病が確認された全般発生開始期は6月17~22日であり、6月20日前後に集中している(表4)。
    その後の6月第6半旬から7月第1半旬には2世代病斑の出現を示す坪状発生が見られる(表1)。
    この結果から、新潟県の葉いもち防除開始時期はおおよそ6月末になる。
成果の活用面・留意点
  1. 葉いもち防除時期の判断に活用する。
  2. BLASTAM,微気象法で感染好適条件が出現しても,栽培方法や品種によっては全般発生開始期に至らない場合もあるので,必ず見歩き調査等により発病を確認する。
  3. 葉いもち防除開始時期は感染好適条件の出現状況によって変化するので、発生予察情報に注意する。
図表1 214281-1.gif
図表2 214281-2.gif
図表3 214281-3.gif
図表4 214281-4.gif
カテゴリ 病害虫 いもち病 農薬 品種 防除

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