ツマグロヨコバイ耐虫性品種を加害するバイオタイプ

タイトル ツマグロヨコバイ耐虫性品種を加害するバイオタイプ
担当機関 北陸農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 北陸産のツマグロヨコバイから選抜された3種類のバイオタイプの耐虫性品種に対する加害性は、主働遺伝子によって支配されており、このバイオタイプを用いて新しい耐虫性遺伝子源を探索することができる。
背景・ねらい これまで、ツマグロヨコバイ耐虫性品種を加害するバイオタイプについては、九州のツマグロヨコバイでは調べられてきたものの、北陸産のツマグロヨコバイではバイオタイプはできないとされてきた。ここでは、幾つかの耐虫性品種・系統に対して北陸産のツマグロヨコバイからバイオタイプの選抜を試み、選抜されたバイオタイプの特性を調べることにより、耐虫性品種の安定的利用のための基礎的資料を得ようとする。
成果の内容・特徴
  1. 西海164号、西海182号、中国105号、IR24、愛知80号、関東PL6の6つの耐虫性品種・育成系統上で、北陸産のツマグロヨコバイを放飼し選抜を行うと、これらの品種・系統上で正常に発育するバイオタイプが得られる(図1)。
    しかし、水稲中間母本農5号および水稲中間母本農6号ではバイオタイプは選抜されない。
  2. 選抜されたバイオタイプの耐虫性品種に対する加害性から、バイオタイプが次の3つのグループ①中国105号系統、IR24系統、②西海164系統、西海182系統、③関東PL6系統、愛知80号系統に分けられる(表1)。
  3. バイオタイプの品種加害性の差異は、異なった耐虫性遺伝子(Grh1、Grh2、Grh3)に基づく耐虫性機構の差によるものと考えられ、それぞれBiotype1、Biotype2、Biotype3とし、無選抜の系統をBiotype0と呼ぶ。
  4. Biotype1、2、3とBiotype0とを交配したF1、F2および戻し交雑世代の調査から、Biotype1およびBiotype2の品種加害性は常染色体上の優性の単一遺伝子、Biotype3は常染色体上の劣性の単一遺伝子により支配されていると推定される。
  5. バイオタイプの品種加害性の差異を利用して、新しい耐虫性遺伝子源の探索が可能である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. バイオタイプ出現による耐虫性品種の崩壊に関する基礎的情報であるとともに、バイオタイプを用いた新しい耐虫性遺伝子源の探索手法として利用できる。
図表1 214292-1.gif
図表2 214292-2.gif
図表3 214292-3.gif
カテゴリ 品種

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