水稲における種子集団の初期生育特性の評価手法

タイトル 水稲における種子集団の初期生育特性の評価手法
担当機関 北陸農業試験場
研究期間 1998~2002
研究担当者
発行年度 1998
要約 水稲における種子集団の経時的な生育変化にリチャード式を当ては、その係数から誘導された集団特性値を用いることで、直播水稲の初期生育の変化をわかりやすい4成分に分解して数量化することが可能である。
背景・ねらい 水稲直播では、初期生育の良い種子を播種することが重要で、このような種子を生産するためには、種子集団の初期生育特性を数量的に評価することが必要である。このために従来、幾つかの方法で数量化が試みられたが、数量化された指標がわかりにくい・不安定である・指標間で互換性がない等の問題を抱えていた。そこで、これらを解決するために、集団における生育変化に特徴的な歪んだ分布にも表現できるリチャード式に当てはめて、その係数から使いやすい集団特性値を誘導し、生育変化の指標として利用することを検討した。
成果の内容・特徴
  1. 歪んだ頻度分布を表現するために今まで用いられていたリチャード式は、不連続でしかも場合分けが必要であるので、数学的にも実際の計算においても取り扱いが困難であった。そこで、全ての変数について連続になるように変形したリチャード式を用いることで、頻度分布への当てはめを汎用のソフトウェアで簡単に計算できるようになる。
  2. 経時的な生育変化で見られる歪んだ頻度分布にリチャード式を当てはめて、その係数から4つの集団特性値(変化率:Vi、代表値:Me、散布度:Qu、歪性:Sk)を誘導することで、その生育変化をわかりやすい成分に分解して数量化することができる(表1、図1)。
  3. 水稲において、浸種時間を長くすると出芽が揃う様子が、出芽の散布度Quを算出することで数量的に示される(図2)。
    また、浸種してからの経過時間が長くなる苗立ち時の頻度分布の歪性が大きくなり、その歪性が無視できなくなる様子がSkで把握できる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 環境を変えた際の、同一種子集団の生育変化についての集団特性値を算出することで、生存率に影響を与えないような弱い環境効果を数量化することができる。
  2. 4つの集団特性値によって当てはめたリチャード式が復元できるため、集団特性値が示された種子の生育が予測できる。
図表1 214301-1.gif
図表2 214301-2.gif
図表3 214301-3.gif
図表4 214301-4.gif
カテゴリ 水稲 播種

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