タイトル |
単粒水分計付き種子用コンバイン |
担当機関 |
富山県農業技術センタ- |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
籾の単粒水分を測定する機能を備え、水稲収穫時に高水分域の籾水分値に応じて扱胴回転数を制御する種子用コンバインを用いることにより、籾発芽率の低下を抑制し、良質な種籾を収穫することが可能になる。
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背景・ねらい |
水稲収穫時の籾の単粒水分の分布は成熟期前後で最も大きくなり、高水分籾で発芽障害を受けやすいことが知られている。一方、収穫時に籾の平均水分値が等しい場合でも、品種や栽培条件により高水分域の分布頻度が異なるため、一定条件でコンバイン収穫した場合には発芽能力に差を生じる場合がある。そこで、籾の単粒水分を測定する機能を備え、種籾製品の良悪に関わる高水分域の籾水分値に応じて扱胴回転数を制御する種子用コンバインを試作し、効率的に良質な種籾を収穫する技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 種子用コンバインの1番口に装着した電気抵抗式の単粒水分計により収穫時の籾水分を測定し、90%点(低水分側から90%を満たす点)に応じたエンジン回転数の設定により、扱胴回転数を定格回転数(440rpm)に対し-10,-5,0,+5%の4段階で自動制御することができる(図1,図2)。
- 高水分籾を検出すると即座に扱胴回転数を下げるのに対し、低水分籾を3回連続した場合にのみ扱胴回転数を上げるシステムのため、高水分籾への損傷を最小限に抑えることができる(図1,図3)。
- 低水分条件下においては扱胴回転数を定格回転数に対し5%上げても籾発芽率の低下は認められず、籾への損傷の問題はない。この場合、エンジン回転数が5%増加するため、走行速度の上昇により効率的な収穫が可能になる(図3)。
- 単粒水分の90%点が35%以上の高水分値を連続的に検出した場合には、目標の発芽率が得られないため、収穫を控える(図3)。
- 休止乾燥法等の籾の水分条件に応じた効果的な乾燥法を収穫段階で設定できるため、収穫から乾燥にかけての作業を効率的に行える。
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成果の活用面・留意点 |
- コンバインの刈刃を上げ旋回する際には、それ以前の籾水分情報を削除し定格扱胴回転数に戻るため、長辺の長い圃場等、旋回回数の少ない圃場での利用が望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
栽培条件
自動制御
水稲
品種
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