タイトル |
低平水田地帯における大規模水路網の効率的な流況解析手法 |
担当機関 |
北陸農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
陰差分法による大規模水路網の流況解析では,水路を分合流点で分離して擬似的な樹枝状水路とみなし,掃き出しアルゴリズムとそれによって未知数を減少させた連立1次方程式を組み合わせて用いることで,解析に必要な計算時間を大幅に短縮することができる.
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背景・ねらい |
陰差分法による水路網の流況解析では,時間ステップごとに連立1次方程式を解く必要がある.連立1次方程式の直接解法では,その計算時間は変数の増加に対して急激に増加し,流況解析全体に必要な計算時間の中でも大きなウェイトを占める.したがって,連立1次方程式の係数行列が大型化する大規模水路網では,そのモデル作成の煩雑さを解消するとともに,効率的なアルゴリズムの開発が計算時間の短縮に不可欠である.
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成果の内容・特徴 |
- 代表的な陰差分法であるPreissmannスキームで水路網を計算する場合,水路を分合流点で分離して擬似的な樹枝状水路とみなすことでモデル作成の単純化を達成した(図1右).この水路は,計算順序を定めるために有向グラフで表され,有向辺の始点と終点を示す結合点番号にトポロジカルソート(有向辺に沿った順序づけ法)を適用してモデル化される.
- 差分スキームから導かれる連立1次方程式は,掃き出しアルゴリズムとそれによって未知数を減少させた連立1次方程式を用いて計算される.このとき,計算効率は水路網の形態に依存し,水路網全体に対して閉路が占める割合と擬似的な樹枝状水路を作成するために分離した水路数が少ないほど向上する.
- 提案した解析手法を,低平水田地帯における大規模水路網(図1)。
の流況解析に適用し,観測値との良好な一致を確認した(図2及び図3)。 また,計算時間を評価するために,疎行列のための直接解法として有力な内積形式Gauss法と比較を行った結果,本手法の計算時間はGauss法の約1/16であり,その有効性が検証された.
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成果の活用面・留意点 |
- 流れに常流と射流が混在する場合は,Preissmannスキームでは計算できないので,TVDスキームなどの不連続解計算に適した差分スキームを導入する必要がある.
- 排水計算の際に問題となる,水路モデルと水田域からの流出モデル間の水面振動を取り除くためには,時間差分の調整,減衰パラメータの導入などの対策が必要である.
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
水田
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