タイトル |
ニホンズイセンの定植前球根水浸漬処理による開花促進法 |
担当機関 |
福井県園芸試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ニホンズイセンの促成栽培において、花芽分化した球根を定植前2日間の水浸漬処理後に定植すると、発根が早くなり、開花が促進される。また、切り花の葉長が長くなる。
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背景・ねらい |
ニホンズイセンの促成栽培では、高温処理した球根を7月下旬から圃場に定植して、価格の高い10月に出荷する作型が現地で普及している。この作型では、スプリンクラーによる頭上灌水や畝間への水掛け流しによって、球根への水分補給と地温の低下を図り、生育を促進している。しかし、この管理方法は、圃場や定植場所によって生育の不揃いが見られる。そこで、発芽揃いを高めるとともに、生育初期の安定化と生育を促進するため、定植前の花芽分化した球根における水浸漬処理について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 水浸漬処理した球根を定植すると、初期の生育が優れ、発根と出芽が早くなる(表1)。
- 水浸漬処理の温度は、10℃から30℃の範囲内では、いずれも開花始期が4~14日早くなり、開花促進の効果が認められる(表1、2)。
- 水浸漬期間は2日間で最も開花促進の効果が高く、3日間水浸漬して定植すると開花株率が低下する(表2)。
- 水浸漬処理して定植すると、切り花の葉長が長くなるが、その他の切り花品質では差が見られない(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- スイセンの促成栽培において、あまり水温を気にせず、簡易な開花促進法として活用できる。
- 軟腐病等の病原菌に感染した球根を水浸漬処理すると、他の球根も病気に感染することがあるので、健全な球根を使用する。
- 花芽形成段階が遅れた球根を水浸漬処理して定植すると、開花がばらつくことがあるので、検鏡により花芽形成段階調査を行い、花被分化期以降に達した球根を用いる
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
栽培技術
出荷調整
すいせん
ばら
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