PCR法を用いたイネ白葉枯病菌の迅速検出法

タイトル PCR法を用いたイネ白葉枯病菌の迅速検出法
担当機関 石川県農業総合研究センター
研究期間 1999~2002
研究担当者
発行年度 1999
要約 Xanthomonas属細菌の16S-23SrDNAのITS領域の塩基配列を比較し、イネ白葉枯病菌に特異的なPCRプライマーを作製した。本プライマーを用いたPCRにより、無病徴の植物体からも迅速に病原細菌を検出できる。
背景・ねらい イネ白葉枯病菌は細菌性の難防除病害であり、事前の発生予察が肝要である。特に病原菌の消長を追跡することは非常に重要であるが、従来の病原菌モニタリング手法は多くの労力と時間を費やし、発生予察における迅速な判断が困難であった。そこで、イネ白葉枯病菌に特異的なPCRプライマーを作製し、迅速かつ簡便な検出法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 各種植物病原細菌のゲノムDNAを抽出し、16S-23SrDNAのITS領域の塩基配列を比較し、イネ白葉枯病菌に特異的なPCRプライマー(XOR-FおよびXOR-R2)を作製した(図1)。
  2. 本プライマーを用い、分離地の異なるイネ白葉枯病菌27菌株、同属異種菌14病原型16菌株についてPCRを行うと、イネ白葉枯病菌の全ての菌株から約470bpのDNA断片が増幅される(図2)。一方、他の病原菌からは3菌株を除き増幅が見られない(図3)。
  3. 本法による検出手順を図4に示す。本法による病原菌の検出限界は4×101cfu/ml、また植物体をサンプルとした検出所要時間は3時間以内であり、一度に多検体を供試できる。
  4. 現地圃場において、サヤヌカグサ(金沢市大場町)および初発生確認12~14日前の無病徴イネからも病原菌の検出が可能である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 伝染源の一つであるサヤヌカグサにおける病原菌の存否、イネへの無病徴感染を確認できるため、発生予察の一手段となりうる。
  2. カンキツかいよう病菌等、一部の病原細菌を誤認する可能性がある点に留意する。
図表1 214390-1.gif
図表2 214390-2.gif
図表3 214390-3.gif
図表4 214390-4.gif
図表5 214390-5.gif
カテゴリ 病害虫 防除 モニタリング その他のかんきつ

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