タイトル |
イネいもち病菌の非病原性遺伝子の同定 |
担当機関 |
北陸農業試験場 |
研究期間 |
1997~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
イネ品種に対する病原性の異なるいもち病菌菌株の交配後代を解析し、4個の非病原性遺伝子を同定した。このうち3個はそれぞれ、真性抵抗性遺伝子Pii、Pia、Pitに対応している。
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背景・ねらい |
単一のいもち病真性抵抗性遺伝子を導入した新育成品種では、導入遺伝子を侵すいもち病菌レースの出現により抵抗性が崩壊する場合があり問題となっている。品種抵抗性を安定的に利用するためには、新しいレースの出現機構を解明する必要がある。そこで、いもち病菌の品種特異性についての遺伝的基盤を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- イネ品種「石狩白毛」に病原性を有するいもち病菌菌株と非病原性の菌株の交配後代では、「石狩白毛」に病原性の菌株と非病原性の菌株が、1:1の頻度で出現することから、「石狩白毛」に対する非病原性遺伝子を同定した(表1)。同様にして、イネ品種「愛知旭」、「K59」および「八反3号」それぞれに対する3個の非病性遺伝子を同定した。
- 「八反3号」、「石狩白毛」、「愛知旭」および「K59」に対する非病原性遺伝子をそれぞれAvrHattan3、AvrPii、AvrPia、AvrPitと名付けた。なお、「K59」に対する非病原性遺伝子としては、Avrl-K59が林らによって報告されている。
- 「石狩白毛」と「農林3号」との交配F3系統に、「石狩白毛」に対する非病原性遺伝子を有する菌株Y93-164a-1を接種すると、系統ごとの反応は真性抵抗性遺伝子Piiに対する反応と一致することから、「石狩白毛」に対する非病原性遺伝子は真性抵抗性遺伝子Piiに対応する(表2)。同様に、「愛知旭」、「K59」に対する非病原性遺伝子はそれぞれ、Pia、Pitに対応する(表3,4)。これらのことは、互いに特異的に対応する抵抗性遺伝子と非病原性遺伝子が相互作用して抵抗性反応を生ずるという、いわゆる遺伝子対遺伝子説がイネいもち病においても成立することを示唆している。
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成果の活用面・留意点 |
遺伝子同定に用いたいもち病菌の交配後代を供試して、非病原性遺伝子近傍の連鎖地図を作成し、これより遺伝子単離が可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
いもち病
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
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