タイトル |
新潟県におけるクリタマバチの導入天敵の実態とこれを利用する園地管理技術 |
担当機関 |
新潟県農業総合研究所 |
研究期間 |
1996~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
クリタマバチの導入天敵「チュウゴクオナガコバチ」は新潟県下全域に分布・定着が確認された。チュウゴクオナガコバチの増殖をうながすため、剪定枝は5月5日ころまで園地内においてから処分し、5月20日ころまでは殺虫剤散布は控える。
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背景・ねらい |
クリの難防除害虫クリタマバチに対する防除法として導入した天敵「チュウゴクオナガコバチ」の増殖を図るため、その分布・定着の状況と保護増殖のための適切な園地管理技術を明らかにし、クリタマバチを安定的少発生に導く。
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成果の内容・特徴 |
- 導入天敵の現況
(1)チュウゴクオナガコバチは新潟県下全域で分布が確認され(図1)、密度は徐々に増加し、その密度は1998年において大半の地点でこれと競合する在来天敵クリマモリオナガコバチを上回った(図2)。 (2)チュウゴクオナガコバチの雌の羽化時期は、気温が平年並に推移した場合は4月下旬である(図3)。 (3)チュウゴクオナガコバチに寄生し増殖に影響を与える高次寄生蜂の中では、クリタマヒメナガコバチ、トゲアシカタビロコバチ、クリタマオナガコバチの密度が比較的高い。これらの高次寄生蜂はチュウゴクオナガコバチよりやや遅れて発生する(図3)。
- チュウゴクオナガコバチの増殖・保護のためには、クリの剪定枝(クリタマバチのゴール)は、5月5日ころまでは園地内におき、その後処分する。また、本種の雌成虫は20日間程度産卵を続けるため5月20日ころまでは殺虫剤の散布は控える。
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成果の活用面・留意点 |
- この技術は新潟県下全域に適用できるが、多雪地域など消雪時期の遅れる地域や園地環境により、チュウゴクオナガコバチの羽化時期は遅れる可能性もある。
- 高温年は羽化時期が早まり、低温年は羽化時期が遅れるので注意する。
- 高次寄生蜂は上記のほかにも数種類確認されている。 高次寄生蜂の密度は年次変動が大きい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
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管理技術
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防除
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