水稲における根張り診断手法

タイトル 水稲における根張り診断手法
担当機関 石川県農業総合研究センター
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1999
要約 稲株引抜き負荷測定装置によって引抜いた稲株に把持された根系付着土塊形状により、水稲の根張り(株支持力)を診断する手法を確立した。
背景・ねらい 根張りは地上部生育評価の大きな要素として考えられてきたが、これまで根張り具合を評価する有効な手法はなかった。そこで、根系が把持した土塊に着目し、試作した稲株引抜き負荷測定装置によって引抜いた稲株に把持された根系付着土塊形状による根張り(株支持力)診断の有効性を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 稲株引抜き負荷測定装置(大起理化化学工業株式会社協力のもと試作)
     本装置は、引抜き器・制御盤及びプッシュプルゲージ、データロガーで構成されている。稲株の株元にワイヤロープの先端を固定し、直流モータによりワイヤロープを自動的に巻き取りながら、プッシュプルゲージに生じた負荷を1/100秒単位で測定できる(図1)。
  2. 引抜き稲株に把持された土塊形状による根張りの評価(図2,3)
    1)根量が多く土壌深層まで根が発達している稲株(図2ーⅢ(a,b))は、把持土塊容積が大きく球塊状な土塊形状をしており、負荷最大値が大きく、その稲株変位(ワイヤーの移動量)も大きい。例えば、品種では「どんとこい」である。
     2)土壌表面に根が集中している稲株(図2ーⅡ(a,b))は、把持土塊が偏平となり、根張りにねばりがなく、抜けやすく、稲株が負荷最大値到達後稲株が引抜かれるまでの曲線の傾きが急となる。例えば、品種では「コシヒカリ」である。
     3)根量が少なく根域の狭い稲株(例えば(図2ーⅡ(c))は、根量の多く根張りの発達している稲株(例えば(図2ーⅡ(a))と比較して負荷最大値が小さく、その稲株変位も小さい。
成果の活用面・留意点
  1. この診断手法は、移植、直播の双方に適応。
  2. 引抜き試験は、試験時の土壌状態の影響が大きくならないように浅水湛水(飽和水分)状態で実施する。
  3. 引抜き負荷値の指標化については今後検討する必要がある。
図表1 214403-1.gif
図表2 214403-2.gif
図表3 214403-3.gif
カテゴリ 診断技術 水稲 品種

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