「伊豆」中間台を利用したかき「平核無」のわい化栽培における樹体生育と作業の軽労化

タイトル 「伊豆」中間台を利用したかき「平核無」のわい化栽培における樹体生育と作業の軽労化
担当機関 新潟県農業総合研究所
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 かき「平核無」に「伊豆」を中間台として挿入することで安定的なわい化効果が得られる。さらに初期収量が高く生理落果の減少により収量が安定する。また、収穫作業での脚立の使用時間が2割程度削減できる。
背景・ねらい 近年かき産地においては、作業の省力化のために低樹高化が図られている。しかし過度な樹高切り下げ等による生育の乱れで収量低下、熟期遅延等の問題が発生している。このため、省力・低コスト化や、熟期促進対策が強く求められている。本研究では甘かき品種「伊豆」を中間台とした「平核無」のわい化効果を確認し、合わせて省力化と高品質早期多収技術の開発をめざした。
成果の内容・特徴
  1. わい化効果
    変則主幹形仕立てにおける植栽後17年目の中間台区の生育は対照区と比較して、明らかにわい化効果が認められる。樹高は中間台15cm区で最も抑えられ、対照区と比較して80%程度の高さとなる。また樹冠占有面積も対照区と比較して半分以下で、コンパクトな樹形に仕上がる(表1)。
  2. 安定生産
    収量は中間台挿入により、樹勢が安定するため年次変動が少なくなる。10a換算収量では、中間台区は初期収量が多く、その後も安定して多収である(図1)。生理落果が多発した1997年においては、対照区で57%の落果率となったのに対し、中間台区では20~27%と明らかに少なかった(データ省略)。
  3. 熟期促進効果と果実品質
    収穫期は中間台区の成熟のそろいが良くなるため、対照区と比較して収穫始は10月21日で同じであるが、収穫盛が2日(10/27)、収穫終りも1日(11/7)とそれぞれ早くなる。果実品質は果重、糖度などに有意な差は認められず、対照区と同等であった(データ省略)。
  4. 労働時間
    中間台区の10a当たりのせん定、摘らい、摘果、収穫にかかる時間を対照区と比較すると、収穫時間は着果量に左右されるが、その他の管理作業においては中間台区のほうが短くなる(図2)。
  5. 軽労化
    収穫作業において脚立を使用して収穫する果実の割合が対照区では60%程度であるのに対し、中間台区では50%以下であり(図3)、脚立を使用した作業時間が削減される。
成果の活用面・留意点
    わい化栽培では根張りが狭小となりやすいため、園地の選定に当たっては肥沃で地力のある園地を選ぶ。また植栽に際しては支柱を添え補強し、風害や結実の重みによる倒伏を防ぐ。
図表1 214417-1.gif
図表2 214417-2.gif
図表3 214417-3.gif
図表4 214417-4.gif
カテゴリ かき 軽労化 省力化 低コスト 低樹高 品種 わい化

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