タイトル |
日本なし「幸水」の波状棚・早期加温栽培の軽作業・労働分散効果 |
担当機関 |
福井県農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
積雪地域における日本なし「幸水」の周年被覆・単棟ハウス、波状棚・斜立主幹形による早期加温栽培は、平棚での従来施設栽培より作業姿勢が改善され、労働時間も短縮できる。また、露地との組合せにより、集中する作業の労働分散が可能である。
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背景・ねらい |
福井県のような積雪地域における日本なし栽培は、積雪のため露地のみの単一作型に制限され、摘果や収穫などの作業が短期間に集中する。一方、長い農閑期が農外就労のきっかけとなり、担い手の不足、高齢化、女性化が進む誘因ともなっている。また、平棚栽培は管理作業の70~80%が上向き姿勢での腕上げ作業のため体力的負担が大きい。そこで、冬季間を含めた作期拡大による労働時間の分散と軽作業化を目的とした新しい棚様式の早期加温栽培方法の軽作業化と露地との組合せによる労働分散分散効果を明らかにし、経営評価を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 波状棚は平棚より上向き、腕上げの作業頻度が減少し、作業姿勢が改善できる(図1)。また、摘果作業では脚立の使用時間が平棚の73%に対して45%に減少し、せん定時間も10%削減できることから、作業能率も向上する(データ省略)。
- 周年被覆であることから、従来施設栽培(平棚・7月収穫)と比較してビニールや防鳥・防蛾ネットの被覆・除去作業(施設設置)が省略されるなど労働時間も短縮できる(図2)。
- 経営成果の比較では、早期加温栽培のナシの単価を1,000円/㎏と仮定した場合、露地(平棚)、従来施設栽培より収益が高い(表1)。露地並(労働報酬2,000円/hr)の労働報酬を得るには、波状棚・早期加温栽培では単価でおよそ850円/㎏が目安となる。
- 労働力を固定した場合、露地と従来施設栽培では労働分散できないが、露地と早期加温栽培では、受粉・摘果、収穫などの集中する管理作業の労働分散が図られ、所得の向上、経営規模の拡大、冬季の農閑期の有効利用が可能となる(図2、表2)。
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成果の活用面・留意点 |
数理計画モデルによる作型の試算の最適解は、労働力を固定した場合の労働分散効果の把握を目的としたものであり、経営の理想的なモデルを示したものではない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
経営管理
施設栽培
受粉
日本なし
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