タイトル |
春まき秋冬どりネギ栽培における窒素の全量基肥施用技術 |
担当機関 |
富山県農業技術センター |
研究期間 |
1997~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
ネギの11,12月収穫の作型において、窒素吸収パターンに合った肥効調節型肥料を用いることで、全量基肥施用が可能である。この肥料を用いることにより、窒素成分を慣行に比べて全層施用で20%、条施用で50%減肥できる。
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背景・ねらい |
富山県における、11,12月に収穫する作型(以下秋冬どり)では、約3回の追肥が行われているが、気候条件により、適期に施肥を行いにくい。そこで、肥効調節型肥料(被覆尿素)を用い、定植時に全量施用する方法を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 秋冬どりネギ(品種:「金長」)において、夏季の高温期ではN吸収量が緩慢である(図1)。
- 被覆尿素LP30とLPS120を1:3で混合した肥料(以下被覆尿素混合肥料)は、ネギのN吸収パターンに近い溶出がられる(図2)。
- 秋冬どりにおいて被覆尿素混合肥料を、全層施用では慣行の80%(10a当たり窒素成分で約16kg)、植溝への条施用では慣行の50% (10a当たり窒素成分で約10kg)で、慣行と同程度の収量が得られる(表1)。
- 全量基肥施用により、生育が斉一となる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- この試験は地床苗を使用しており、ペ-パ-ポット苗を用いる場合、活着促進のため定植直後に10a当たり窒素成分で1~2kgの追肥が必要である。
- 定植後生育初期に葉色は慣行に比べ淡くなるが追肥は行わない。
- 植溝への条施用では、施用後肥料が露出しないように注意する。条施肥での多肥は、窒素濃度過多による生育障害を起こす可能性があるので注意する。また、施用位置上を歩かない。なお、この条施用は、全自動移植機や管理機に施肥機能を付与する等、機械化に応用できる。
- P2O5,K2Oは、基肥として別途施用する。
- この技術は、富山県のすべての土壌(砂壌土、粘質土、黒ぼく土、砂土)に適応できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
機械化
栽培技術
施肥
施用技術
ねぎ
品種
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