タイトル |
秋咲きアリウム属種間雑種の切り花用新品種「ハイブリッドアリウム1号」 |
担当機関 |
福井県農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
子房培養により作出したラッキョウとヤマラッキョウとの種間雑種の中から、花茎がラッキョウより太く長く、花球が大きく、小花数も多い切り花用秋咲きアリウム「ハイブリッドアリウム1号」を育成した。
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背景・ねらい |
観賞用に栽培されているアリウム属のほとんどは春から初夏に開花する。ラッキョウの花は観賞用としては市場性が低いが、秋咲き性がある。そこで、子房培養を用いて、ラッキョウを他の種と交雑することによって、切り花用秋咲きアリウムを育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成経過
昭和63年にラッキョウ「ラクダ系福井在来」とヤマラッキョウを種間交雑し、子房培 養により雑種個体を得て、系統選抜により育成した。平成8年から11年の3年間、特性 検定を行い、その優秀性が認められた。平成12年度に種苗法に基づく品種登録出願を予 定している。
- 形態的特性
花弁の色は赤紫で、花の形状もラッキョウとほぼ同じである(図1)。花茎の長さは 46cmでラッキョウの1.5倍以上あり、花茎の太さも3.2mmと太くて硬い。花球の大きさは 直径60mm程度の正球形で、小花の数も65と多くラッキョウの4倍程度ある(図1、表1)。
- 生態的特性
生態的にはラッキョウとよく似ており、開花期は10月下旬から11月上旬で、ラッキョ ウとほぼ同じかやや遅い。植え付け初年目は花の発育が悪いので、収穫は2年目の秋に なるが、抽台株率は100%と高く、抽台数も株当たり5.6とラッキョウより多い(表1)。 8月の休眠期における球根の状態は、分球数が5.7でラッキョウよりやや少ないものの 1球重は14.6gとかなり大きい(表2)。 球根の肥大が終了し、抽台が始まる前の6月頃が最も生育旺盛で、葉長が62cm、葉幅 が8.4mmでラッキョウよりかなり大きくなる。ただし分球数が少ないため、株当たりの葉 数は少ない(表3)。
- 切り花としての評価
東京、大阪等の市場における試験販売での評価は高い。
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成果の活用面・留意点 |
- 全般に病害虫が少なく、栽培は容易であるが、ラッキョウと異なり7月上旬に抽台を 始め、それ以降ネギコガが花らいや花茎を食害するので防除に努める。
- 当面は、福井県内での普及を図る。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
アリウム
害虫
新品種
ねぎ
品種
防除
らっきょう
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