米辛口味噌中での機能性成分HEMFの増強法

タイトル 米辛口味噌中での機能性成分HEMFの増強法
担当機関 新潟県農業総合研究所
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 米辛口味噌の製造過程に於いて、酵母を多量添加し、熟成初期温度を比較的低温に経過させ、更には五単糖類を添加することで、抗腫瘍性等の機能を持つ香気成分、HEMF(ヒドロキシ・エチル・メチル・フラノン)を顕著に増加させることが出来る。
背景・ねらい  近年、味噌の消費量が停滞する中で、その需要拡大を図るため、味噌中の機能性成分について多くの研究が行われている。HEMFは味噌の香気成分の一つとして存在し、抗腫瘍性や抗変異原性及び抗酸化性を有し、その生成には酵母や糖類の関与が報告されている。
 しかし、米辛口味噌の製造条件との関係については十分な解明が成されていないので、酵母添加量その他の製造条件を変えて試醸し、当該成分の味噌中での増強法を見出す。
成果の内容・特徴
  1. HEMFは酵母の添加によって生成し、概ね酵母添加量に比例して多くなる。いずれも、熟成45日頃に最大値となり、その値は酵母添加量が106/gの時に多く、アルコール生成量とほぼ比例する(図1)。
  2. 発酵・熟成温度の関係では、高温(35℃)ではHEMFが最大値に達する期間は短いが、以後急激に減少する。HEMFの最も良く生成する温度は30℃である。また低温(25℃)ではHEMFが最大値に達するまでの期間が長くなる(図2)。
  3. 味噌の分解を緩慢に進め、HEMF前駆体を蓄積させてから酵母発酵させる。即ち、味噌の仕込後はやや低温で熟成させ、その後に酵母を発酵させるように経過させることで、HEMF生成量は約1.5倍となる(図3)。
  4. HEMFの増強には、五単糖類のキシロースやアミノ酸のアラニン等を加えることも有効であり、HEMF生成量を数倍に増やすことができる(図4)。
  5. 本技術は特別な製造装置を必要としない。また、香りが良くなり、高品質な味噌が製造可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 味噌の仕込条件は、麹歩合10歩、塩分12%、水分50%、酵母添加量1×106/g、発酵・熟成温度30℃が基本となる。
  2. 糖類を多量に加えると、普通の味噌に比べ極めて特徴的な香味が生じるので、製品の差別化にはよいが、通常の味噌汁用とするには注意も必要となる。
図表1 214440-1.gif
図表2 214440-2.gif
図表3 214440-3.gif
図表4 214440-4.gif
カテゴリ 機能性成分 需要拡大

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