タイトル |
六条大麦を利用したビールの製造 |
担当機関 |
富山県食品研究所 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1999 |
要約 |
六条大麦を原料にビールを製造すると、麦汁製造時に混濁、濾過の遅延といった問題が生じる。これらの問題は麦芽・麦汁製造工程での浸麦度、発芽日数、糖化条件の調整により、解消することができ、六条大麦でもビール製造が可能である 。
|
背景・ねらい |
県内産六条大麦を原料としたビール製造技術を確立することにより、六条大麦の需要拡大と県内地ビール産業への技術支援を行う。 これまで、国内ではビールはすべて二条大麦で製造されてきたため、六条大麦によるビール製造に関する研究例はなく、それに適した製造技術を確立する。
|
成果の内容・特徴 |
- 六条大麦(ミノリムギ)および二条大麦(ビール醸造用タカホゴールデン)を原料に同一条件(図1・2)で麦芽、麦汁、ビールを製造した。その結果、六条大麦を原料として製造した麦汁、ビールは、二条大麦を原料としたものに比べ混濁が生じ、濾過段階で目詰まりが起こる。目詰まりの原因は、繊維質(β-グルカン)が多いためであり、混濁はタンパク質の分解率が低いことと、ポリフェノール含量が高いことに起因する(表1・2・3)。
- 麦芽製造時に、発芽日数を7日間にすることにより、麦芽中のβ-グルカンは二条大麦並の0.5%にまで分解される。また、浸麦度を42~44%にすることにより、タンパク質分解率も適正値の40~45%になる(図3・4)。
- 麦汁製造時に、もろみのpHを下げることで麦汁へのポリフェノールの溶出が抑制される。また、低温糖化時間帯(45℃)を延ばすことにより、麦汁中のβ-グルカン分解が進み濾過が容易になる。
- このようにして得た麦汁をアルコール発酵させることによって、ビールを製造することが可能になる。
|
成果の活用面・留意点 |
六条大麦によるビール製造が可能であるという基礎データを得たが、実用性のあるビール製造においては、ホップの使用法等の味の調整及び実用規模での製造条件の検討が今後、必要である。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
図表5 |
|
図表6 |
|
図表7 |
|
カテゴリ |
大麦
技術支援
需要拡大
ホップ
|