タイトル |
バルク法を用いた米飯物性測定による米の食味評価 |
担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
米の食味を評価する方法として、バルク法を用いた米飯物性測定法を開発した。この方法による粘り値(-A)と硬さ値(A)の比であるバランス度(-A/A)を指標として用いることで、米の食味を官能試験に比べ簡便に精度良く評価することができる。
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背景・ねらい |
消費者ニーズに対応した良食味米の安定供給のため信頼性の高い食味評価法の開発が求められている。官能試験による食味の最も重要な要因は、硬さや粘り等の米飯物性である。しかし、官能試験は、多量な試料や熟練したパネラーの養成が必要である。また、従来の米飯物性測定法では、人為的な操作や試料水分の蒸発による誤差が問題となっている。そこで、米飯物性測定による精度の高い食味評価方法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- この測定法の特徴は、砕粒を除いた精米8gを小型炊飯容器で炊飯し、容器ごと米飯物性を測定する点である。そのため、この測定法は、通常の炊飯器から測定容器に採取し測定する方法や米飯粒1~3粒で測定する方法に比べ人為的な操作や試料水分の蒸発による誤差が少ない(図1)。
- 品種別米の米飯物性測定より得られたバランス度と官能試験総合評価との間には、相関関係が認められ(単相関0.892:危険率0.05%有意)、官能試験総合評価値が高いものほどバランス度が高い(図2)。
- 産地等が異なるコシヒカリのバランス度は、穀物検定協会の官能試験の食味総合評価A’<A<特Aの順で大きくなり、同一品種における食味評価法としても利用可能である(図3)。
- 貯蔵米の米飯物性測定により得られたバランス度は、各品種とも貯蔵温度が高くなるほど、貯蔵期間が長くなるほど低下し、古米化による食味低下が評価できる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本測定法は、品種別、同一品種の産地別、貯蔵条件別の米の食味評価法として活用できる。
- 測定精度を高めるため、砕粒を除いた精米で測定する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
評価法
品種
良食味
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