タイトル |
アグロバクテリウム法によるカブへの遺伝子導入 |
担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
研究期間 |
1999~2002 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
カブの播種後6から7日目の胚軸切片にアグロバクテリウム法で外来の有用遺伝子を導入し、選抜、再分化を促す一連の形質転換培養法を用いることにより、効率よくカブの組換え体を作出できる。
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背景・ねらい |
石川県特産「かぶら寿し」の原料である在来種‘金沢青カブ’の産地では、土壌伝染性の難防除病害である根こぶ病が蔓延している。また、栽培環境によっては、軟腐病や根腐病の発病がみられる。そこで、カブに病害抵抗性を付与することを目的として、カブの遺伝子導入系の確立と、病害抵抗性が期待される有用遺伝子の導入を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 農水省野菜茶試の方法(1999)に準じて、胚軸切片をタバコ培養細胞(BY-2)といっしょにMSD1培地で1日前培養し、β-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子を持つアグロバクテリウムを接種後、同じ培地で3日間共存培養すると、金沢青カブでは約4割の切片でGUS遺伝子の一過的発現が観察される(図1,表1)。
- この培養法により、ザルコトキシン(SAⅠA)遺伝子(農水省生物研より分譲)の導入を行えば、金沢青カブなど3品種において遺伝子導入個体が得られる(図1,図2,表2)。
- 選抜マーカー遺伝子として、ネオマイシンフォスフォトランスフェラーゼ(NPTⅡ)遺伝子を用い、再分化培地に添加するカナマイシン濃度を10mg/lから段階的に上げ、最終的に50mg/lの培地で発根する緑色個体を選抜すれば、効率よく遺伝子導入個体を得ることができ、9割以上の植物体で導入遺伝子を確認できる(図1,表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 品種により遺伝子導入効率が異なるので、導入効率の低い品種では遺伝子導入系の検討が必要である。
- 同じ遺伝子導入系を用いて、SAⅠA遺伝子以外の有用遺伝子の導入も期待できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
かぶ
たばこ
茶
根腐病
播種
病害抵抗性
品種
防除
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