うめ茎頂培養からの自根苗育成技術

タイトル うめ茎頂培養からの自根苗育成技術
担当機関 福井県園芸試験場
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1999
要約 うめの茎頂はゼアチン3.0mg/l、ショ糖30g/lを含むWPM培地で初代培養すると活着が良好である。BAPを含むWPM培地で継代培養すると、多芽状集塊となって増殖する。多芽状集塊を分割し、発生したシュートから発根植物体を得る。
背景・ねらい  優良種苗大量増殖や育種への応用技術として、培養系の確立が求められている。うめの組織培養に関する技術として、「紅サシ」の5㎜程度の茎頂を培養し、多芽状集塊として増殖させ、シュートを発生させて、発根させる技術を開発する(図1)。
成果の内容・特徴
  1. 初代培養の最適条件として、基本培地にWPM培地を用い、サイトカイニンはゼアチンを3.0mg/l、糖はショ糖を30g/lの濃度で添加して培養すると、活着率が高く、十分な生育がみられる(表1、表2)。
  2. 継代、増殖培養時にサイトカイニンとしてゼアチンを用いると、葉が肥厚褐変して適さない。BAPを添加したWPM培地を用いて継代培養すると、多芽状集塊となって、増殖が可能である。
  3. 多芽状集塊を1芽ずつに分割し、ゼアチン3.0mg/l、NAA0.001mg/l、ショ糖30g/lを添加したWPM培地で培養すると、シュートが得られる(北陸農業研究成果情報第15号)。
  4. 得られたシュートを切り取り、発根促進剤(IBA2%粉剤)を切り口に粉衣し、ショ糖30g/lを含んだホルモンフリーの修正MS培地に置床すると、発根個体が得られる(北陸農業研究成果情報第15号)。
  5. 発根個体は、無機塩類のみで組成された1/2濃度のMS培地を含ませたバーミキュライト培地に移し、順化を行う。
成果の活用面・留意点
  1. 均一な自根苗の育成、優良種苗の大量増殖、培養状態での変異誘起などに活用できる。
  2. 初代培養には、雑菌の混入を防止するために、雨の当たらない施設内で発芽、伸長させた新梢を用いる。
  3. 継代・増殖培養で培地の液状化が著しい場合は、糖にソルビトールを混合して用いる。
図表1 214450-1.gif
図表2 214450-2.gif
図表3 214450-3.gif
カテゴリ 育種 うめ

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